英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第252回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは
イケメンでマッチョのチャラ男は「レイディーズマン」?
4年前、ロンドンの語学学校に通っていた時に知り合いになったスペイン人男性のInstagramをたまに見ています。
語学学校ではレベル別にクラスが分けられていて、彼も私と同じクラスだったので英語レベルは低い方です。それでもお互い真面目に英語で会話をしようと一生懸命でした。
そこそこ仲良くなりましたが、会話するのが精一杯の状態だったので、彼が一体どんな人なのか、というところまではわからず、先に彼が卒業し国に帰っていきました。
そしてその後に彼のインスタを見ていると、なかなかのプレイボーイであることが判明しました。
まず、鍛え上げられた肉体を自撮りしてアップ、しかもどうやら彼は写真とか映像関係の仕事についていたようで、写真のクオリティが素人の自撮りとはまったく違っていました。映画俳優のポートレイトのようなその写真に、女性からのコメントやいいねがつきまくっています。
さらに定期的に女性との熱烈な2ショットをアップ。半年ごとくらいにお相手の女性が変わっていき、そのたびに過去の投稿が消されています。
なんというか、チャラいマッチョなイケメン、そんな感じです。
韓国人女子が言った、“He is a ladies’ man.”の意味
「あの彼って、教室で会ってた時と、インスタではイメージ違うよね」
当時同じクラスで、今でも親交がある韓国人女子とオンラインで話をしていた時、そんな話題になりました。
その韓国人女子は当時こそ私と同じ英語レベルでしたが、今でもロンドンにいて、すっかり英語が上達しています。そして、その彼のことを思い出して、こう言いました。
He is a ladies’ man.
ヒー イズ ア レイディーズマン
そう聞こえました。
「他のクラスからも、女子が彼のことを見にきていたじゃん、覚えてない?」
と彼女は続けます。
けれどladies’ manの意味がよくわからず、固まっていると彼女がケンブリッジの英英辞典のリンクを送ってくれました。
ladies’ man=a man who gives women a lot of attention and likes to be with them
(女性に多くの注意を払い、女性といることを好む男)
直訳するとややこしいですが、要は「女好き」ということでしょう。
そして日本語の「女好き」という言葉同様に、単に女性が好きというだけではなく、「女性にモテる男性」という意味もあるということです。
そう言われれば「彼ってすごくハンサムね」と、上級クラスからも女子が見に来ていたことを思い出しました。
「しかも結構お金持ちらしい。たどたどしい英語で会話するので精一杯だったから気が付かなかったけどね」
と韓国人の彼女は笑いました。
確かに、たどたどしい会話の中にも、彼は優しく接してくれましたし、女性には常に丁寧に対応していました。さらにお金持ちとくれば、モテないわけがありません。
現在は母国スペインで、半年ごとに新しいガールフレンドと楽しんでいるのでしょう。
モテる男は、女好き。
世界どこでも、きっとこういうことなのでしょう。“ladies’ man”、しっかり覚えておきたい単語です。
連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
英語力ゼロのまま渡英、行けばなんとかなると思いつつなんともならなかった2年間のイギリス生活。帰国後はせっかく覚えたいくつかの英単語も忘れ去り、それでも時々は英語と格闘してみる現在、40歳。
「その英語でよく外国に行ったね」「めちゃくちゃカタカナ英語だね」と、なぜか日本人に笑われながらも、覚えたフレーズの数々。いつかはうまくなりたいから、恥を忍んで今日もブロークンイングリッシュ。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。人のイングリッシュを笑うな。