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2024.04.22

「アーユーキリングミー?」居酒屋で勃発した外国人カップルの喧嘩が物騒すぎる!?

英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第245回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは

英語力ゼロレッスン 第245回
Illustration=Norio

“Are you killing me?”と聞こえたけれど

先日、近所の落ち着いた居酒屋にて日本酒を飲んでいたら、白人男性と日本人女性のカップルが店に入ってきました。ふたりは誰がどう見ても喧嘩しているとわかるくらい険悪な雰囲気で、男性はドスンと大きな音を立てて席につき、女性はあからさまにため息をついていました。

小さな店だったので、雰囲気の悪いふたりが入ってきたことで店全体にピリッとした緊張が走ります。 ふたりは英語で話しており、男性の方は少しフランス語訛りがあった気がします。小声でなにかを言い合ったあと、男性が声を荒げてこう言いました。

Are you killing me?

「アーユーキリングミー?」とは、なんと物騒なことを言っているのでしょうか。しかし男性は無茶苦茶怒っていたので、「あんた俺を殺す気か?」と、そう言ってもおかしくない雰囲気ではあります。私は日本酒を飲みながら、いつもの辞書アプリで「Are you killing me.」を引いてみたら、こう出てきました。

もしかして“Are you kidding me?”ではありませんか?

Kiddingが「からかう」「冗談を言う」という意味だそうで“Are you kidding me?”だと、「あんた俺をからかっているわけ?」ということになります。

そういえば映画やドラマなんかで聞いたことのあるフレーズでした。けれど怒鳴って言うよりも、苦笑しながら言う、そんなシーンが映画では多かった気がします。ちなみに「アーユーキディングミー」という音になるので、「キリングミー」に近く、聞き取る方のリスニング能力も問われます。

男性が、「レストランに行った時、君はどうしてあんな態度を店員にとったんだ」と怒鳴った後、女性は「そもそもあんなレストラン、好きじゃなかった」と返します。今、この場も居酒屋ではありますが、立派な飲食店ですので、大声での怒鳴り合いは控えてほしいのですが、英語だから私たちにわからないと思ったのでしょうか。ふたりはずっとそんな感じで、店員さんも震えながらビールを出していました。

一方、私が勘違いした“Are you killing me?”の方のフレーズですが、調べてみると相手のジョークが面白すぎて笑いを止められない時なんかには言ったりするそうです。「ちょっと、笑いすぎてお腹痛い、もうやめてwww 殺す気?」みたいな感じでしょうか。

あるいは“My boss is killing me for doing that.”のように「そんなことをしたら上司に殺される」という使い方もあるようです。カップルの会話は文脈的にやっぱり“Are you killing me?”ではなく“Are you kidding me?”だと思われます。

男性は「レストランであんな態度をとって、冗談だろう?」というようなことを言いたかったのでしょうか。

怒鳴り合っていたカップルのその後

あのカップルはあのまま、別れてしまったのだろうか。あんなに激しい喧嘩をしていたのだから、それもありうるな、そんなことを考えていたら後日、うちの近所の道端で熱烈にキスをしているカップルを見かけました。

普段はカップルを覗きこむようなことはしませんが、あまりに熱烈だったのでちらっと顔を見たら、例の白人男性と日本人女性でした。

感情が昂りやすいふたりなのかもしれません。私も英語で感情を爆発させるようなことがあるなら、“Are you kidding me?”使ってみようかなと、ちょっとだけ思いました。

連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
英語力ゼロのまま渡英、行けばなんとかなると思いつつなんともならなかった2年間のイギリス生活。帰国後はせっかく覚えたいくつかの英単語も忘れ去り、それでも時々は英語と格闘してみる現在、40歳。
「その英語でよく外国に行ったね」「めちゃくちゃカタカナ英語だね」と、なぜか日本人に笑われながらも、覚えたフレーズの数々。いつかはうまくなりたいから、恥を忍んで今日もブロークンイングリッシュ。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。人のイングリッシュを笑うな。

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英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」

英語力ゼロのまま渡英、行けばなんとかなると思いつつなんともならなかった2年間のイギリス生活。帰国後はせっかく覚えたいくつかの英単語も忘れ去り、それでも時々は英語と格闘してみる現在、40歳。いつかはうまくなりたいから、恥を忍んで今日もブロークンイングリッシュ。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。

TEXT=MOMOKO YASUI

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