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2024.03.03

メンタルを病まないコツ。心の中に『ドラえもん』の「独裁スイッチ」を持て!

一生懸命働いているのに仕事で結果が出ない。人間関係に悩んでいる。他人とうまくコミュニケーションが取れない……。そんな人にこそ必要なのが「余白」なのだ! デザイナーであり、アーティスト、そして3つの会社を経営する社長でもある山﨑晴太郎氏が提唱する、人生が今よりももっとラクに、ポジティブに、前向きになる「余白思考」とは? 『余白思考 アートとデザインのプロがビジネスで大事にしている「ロジカル」を超える技術』(日経BP)の一部を引用、再編集してお届けする。#1#2

たんぽぽのタネ
aleksandr-ledogorov/unsplash ※写真はイメージ

人と人の間には「快適な余白」が必要

「多くの人の悩みのもとをたどると、人間関係が大部分を占める」と聞いたことがあります。

ズカズカ踏み込まれる。心ない一言に傷つく。抑圧される。軽んじられる。やりたくないことをやらされる……。

人間関係の中には、様々なストレスがあります。

でも、自分ひとりでは生みだせない面白いものや感動を生みだすのも、やはり人と人との関係性においてなのです。

ひとりでは生みだせないものも、人が集まれば生みだせるかもしれない。

自分の中にちょうどいい余白があれば、相手との間にちょうどいい余白をつくることができれば、人間関係の悩みの大部分は、自然と消えていきます。人間関係という枠組みにこそ、よい悪い、好き嫌いの二分割思考ではなく、グレーゾーンを認める余白の考え方を取り入れてほしいと思います。

反対にいえば、人との付き合いにおいては、どれだけ親しくても越えてはいけないラインというものがあります。親しき中にも礼儀あり。

だからこそ、緩衝地帯としての余白の価値があるわけで、礼儀が存在するのは余白の中です。余白という、お互いを受け入れ合えるスペースがせっかくあるにもかかわらず、飛び越えて他人のコアに手をつっこもうとするのは反則です。

人間関係における「余白」について、まずはその方向からお話ししていきましょう。

仲良くなれない人の存在を認める

4、5年にひとりくらい、会社を出入り禁止、つまり“出禁”にする人がいます。

そんなことをいきなりいうと驚く人も多いと思います。僕はきっと、たいていの人からは、寛容で優しい人、どんな人にも興味があって、誰とでも垣根なく付き合う人だと思われているからです。

実際もそのイメージ通りで、裏も表もなく、僕は基本的に人が大好きです。

ただ、世の中には、他者との距離感をうまくはかれない人がいるのは事実で、ズカズカと土足でこちらの大切な部分に踏み込んでくることがある。これは、物理的な距離感だけでなく、精神的・時間的な圧迫も含まれます。

そういう人に当たってしまったときはには容赦なく追いだして、シャッターを下ろします。「我慢の限界を超えて、一線を越えてしまった」というイメージです。ここから先は勝手に入らないでほしい、のラインを度々越えた人に対しては、とても厳しく冷たい態度になります。

厳しいといっても、相手に対して何か不満を訴えたり文句を言ったり怒鳴り散らしたりするわけではなくて、静かに「終わり」にします。

大事なことは、合わない人はきちんと適切な距離を取ることです。

距離を取って、相手との間に十分な余白があれば、相手の挙動は気にならない。そんな余白のつくり方から、考えてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、前述の「静かに終わりにする」を、仕事でもやるときがあります。

いえ、もちろん、ちょっとしたトラブルや方向性の違いでは、やりません。そうではなくて、そもそも相手が僕たちを言いなりにしてコントロールをしようとしたり、正当な理由なく議論を巻き戻してくるようなときです。最初はやんわりと伝えますが、そのニュアンスも無視されるなら仕方ない。

「かかった労力も経費も、すべてもう忘れるので、プロジェクトから下ります」となるわけです。相手は言いなりにさせようとしていた対象が、まさか損を被ってでも仕事を下りるとは思ってもいないわけですから、大慌てです。

急に謝罪されたり、改善を申し出られることがありますが、そこからは正直、修復不可能。覆水盆に返らずです。

人間関係とは、そういうものだと思います。余白を飛び越えてくる人がいるような環境からは逃げたほうがいい。我慢せずに、関係をやめたほうがいいと僕は思います。

どうしても逃げられないときは、どうするか。

僕は幼少期から今までずっと『ドラえもん』の大ファンなのですが、『ドラえもん』のひみつ道具のひとつに、「独裁スイッチ」というのがあります。

スイッチを押しながら消えてほしい人の名前を声に出して言うと、その人の存在が社会から消えてしまう。文字通り元々いなかったものになってしまうのです。

僕はきっと、心の中にそのスイッチを持っています。

「押しちゃおうかな……」

そのスイッチが自分側にあると思うだけで、ずいぶん気持ちがラクになります。「逃げる力」あるいは「切り捨てる力」といってもいいかもしれません。

その力は、余白思考における最後のカードになります。

TEXT=山﨑晴太郎

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