時代の常識をことごとく破り、高杉晋作や伊藤博文といった幕末の英雄、異端児たちに大きな影響を与えた天才思想家・吉田松陰。三十歳という若さで処刑されるまで、その生き方を貫き行動し続けた彼が考える、自分と仲間の魂に火をつける方法とは? 40万部を超えるベストセラー『覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰』(サンクチュアリ出版)より、一部を抜粋して紹介する。第8回。 #1/#2/#3/#4/#5/#6/#7
1.「いつでも死ねる生き方」
あなたはあなた。
私は私です。
他人にはなんとでも言わせておきましょう。
私はできることなら、権力に屈したり、お金に心を動かされたりせず、ただ、あなたたちと一緒に一つのことをきわめながら、そのすばらしい技術と真心をもって、士として恥ずかしくないよう、生き抜きたいと思います。
それさえ実現できるなら、いつ命を落とすことになっても、いっこうにかまいません。
「そんなのは現実的には無理だ」とあなたが言うのなら「無理ではなくて、まだ実現してないだけだ」と私は答えましょう。
私の考え方に反対でしょうか。賛成でしょうか。
2.「止まることは許されない」
進まなければ、退化します。
途中でやめれば、すべてが無駄になります。
だから、今日死んでも悔いを残さないよう、死ぬまで前に進み続けるしかありません。
3.「最後の宿題」
自分はいつまで若さを保てるか、人よりどれくらい長生きできるか、そんなのは、自分の思いのままになることではありません。 ただそれでも、自分という人間をいつまでも磨き続けるというのは、あなたの宿題なんです。
4.「命の重さ」
士の命は、山よりも重い。
ときには、羽根よりも軽い。
私が言いたいのは、死は問題じゃないということです。
なんのためにその命を使っているのか。
ただそれだけが問題なんです。
5.「死を想え」
「自分の命は今日で終わり」
そう思ったとたん、視界から余計なものがきれいさっぱりと消えて、自分がこれからどこに向かうべきか、目の前に太くて真ったいらな道が、一本伸びているんです。
6.「辞世の句」
私の身がここで滅んだとしても、私の日本人としての魂は、ここに置いていくことにします。