35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第205回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
「買い物に行く」を正しい英語で言えてなかった
先日、日本に住み、英語教師をやっている日本語ペラペラのイギリス人の方にこう言われました。
「ひたすら、新しいフレーズと単語を覚えていく作業を英語の勉強だと思っている人は多いけど、そういう人ってさ、fossilized errorsが多いんですよ」
ものすごく流暢な日本語で話しているのに「fossilized errors」だけ、ものすごく流暢な英語になりました。「フォッシライズド エラーズ?」と聞き返したらこう教えてくれました。
「fossilized は『化石化した』という意味です。翻訳すると『化石間違い』になりますけど、多分日本語にそんな言葉、ないですよね? だからそのまま英語で言いました」
「化石間違い」という言葉は確かに聞いたことがありません。
よくよく聞いてみると、これは学問習得を目指したり言語学を学んだりしている人の間で使われる専門用語とのことでした。
その英語教師はこう続けました。
「自分の間違いに気がつかないと、ずっと間違え続けます。そしてそれが化石のように固まってしまって、間違いだと教えられたあとも、もう直すのが難しくなってしまうのです。これを『fossilized errors』と言うんです。だから、言語の間違いは学習の早い段階で指摘されないといけないのです。これは比較的中級者に多いエラーです」
毎日新しい英単語を覚えるだけではダメよ
もはや英語レベルが初心者までに落ちてしまった私には、高次元の話かもしれません。けれど、例として出してくれたフレーズに、大変驚きがありました。
「例えば、よくあるのがI am going to shoppingと言ってしまう人が多いことです。これは典型的fossilized errorのひとつです」
え? I am going to shopping.ってなにか間違っているの?
それまでしたり顔をして話を聞いていたくせに、例の意味もわからなかったので、恥を偲んで教えてもらいました。
「I am going to +場所は正しいです。
I am going to Tokyoとかよく聞くフレーズですよね。それと混じってI am going to shoppingと言ってしまう人が多いのです。けれどshoppingは活動ですから、その場合はtoはいらないんです」
つまり「〜に行く」と言いたい場合は、
be going to +場所
be going +活動
が正しいということ。そういや中学で習った気がしてきたような、しないような。
I am going to Sapporo. (札幌に行く) この場合は場所なのでtoが必要
I am going shopping. (ショッピングに行く) この場合は活動なのでtoは不要
ということなのだそう。
be going to には「〜するつもり」という未来形の意味があり、I am going to eat an appleというように、動詞とくっつけて使うこともできるため、なんとなくそれとも混同してI am going to shopping.が正しいと私も思っていました。確かに、これは言われないと気がつかなったですし、多分これからもまた間違えそうです。
「だから、毎日新しい単語を覚えるのもいいですが、ちゃんとそれまで習ったものを使って、話したり書いたりしてみて、間違いをどんどん指摘してもらってください」
ということでした。
最近は英語の勉強そのものをサボっていますが、たまにやったとしても一人きりなので、やはり誰かと一緒に話すこと、書くことは大事なのだなと、痛感しました。
連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。