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2022.12.26

お母さん!? フィリピンでホテルの従業員に言われた“マム”の意味って?

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第176回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……

Ma’amの意味って。

llustration=Norio

Mam? Ma’am? わたしはあなたのお母さんでもマダムでもないんだけど!?

先日5日間のフィリピン出張に行ってきました。英語が広く使われている国ですから、ホテルやレストランでも、あわあわしていれば誰かが私の下手な英語をくみとってくれます。仕事の複雑な話をする際は通訳さんに入ってもらえたので、英語力0.5でもそこまで困ることもなく過ごすことができました。

けれど、ほんのささいなことですが、少し気になったワードがありました。

ホテルでエレベーターを待っている時、従業員の方が微笑みかけてくれたので、なんとなく窓の外を見て「眺めがいいですね」と声をかけてみました。するとその方は、こうおっしゃいました。

Yes, it is. Ma’am

「そうですね」とおっしゃっているだけなのですが、最後のワンフレーズが気になりました。どうしても「マム」と聞こえます。「お母さん」の「マム」でしょうか。

小学生が学校で、先生のことをうっかり「お母さん」と呼んでしまったあの現象がここフィリピンでおきているのかと耳を疑いました。

注意して聞いてみるとホテルでは、あらゆるところでこの「マム」が聞こえてきます。従業員の方は何を話しても最後はこの「マム」で会話を締めている感じでした。

Madam(マダム)の省略形でした。

どうしても「マダム」とは聞こえないため、「私のリスニング能力が低すぎて子音が聞き取れてないのかもしれない」と不安になっていました。けれどこれが省略形だとわかって安心しました。

「お母さん」の場合のマムはスペルがMamとなり、マダムの省略形の場合はMa’amとなるそうです。

ちなみに「奥様」というイメージの強い「マダム」という言葉で呼ばれるのもちょっと抵抗がありました。

仕事の合間になんとなく「マダムって言われるのは不思議な感じがするなぁ。とはいえ年齢的には大人だし、けれどマダムの気品はまだまだないから、私はまだリトルマダムかな」と適当な雑談をしていたところ。現地の方にすごく笑われました。なぜなら。

Little madam=大人ぶりたがる女の子

という意味だそうです。わがままで、女王様のようにふるまう小さな女の子のことで、日本語で言うならLittle madamは「おしゃまな女の子」が近いみたいです。

そもそも英語の「マダム」は年齢や結婚しているか、していないかは関係なく、大人の女性なら誰にでも使えます。気品があるかないかもどうでもよく、私が言っていた「ちょっとだけマダム」などありえないわけで、Little madamとなると、年齢はマダムではないのに、マダムぶる子供、ということになるのだそうです。

つまり、中年女が自分のことを「Little madam(おしゃまな女の子)」と言っている、非常にヤバい状態になってしまっていたので、大笑いされてしまったのでした。

ちなみに現在は「マダム」よりも「マム」の方が多く使われていて、まだ大人ではないぎりぎり10代くらいの女性にも「マム」は使えてしまうそうです。

出張は滞りなく終わり、マム、マムと呼んでくれたホテルのスタッフと別れる時は、意味が違うとわかっていながらも、我が子と別れるような気持ちになってしまいました。

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連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。

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英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」

英語力ゼロのまま渡英、行けばなんとかなると思いつつなんともならなかった2年間のイギリス生活。帰国後はせっかく覚えたいくつかの英単語も忘れ去り、それでも時々は英語と格闘してみる現在、40歳。いつかはうまくなりたいから、恥を忍んで今日もブロークンイングリッシュ。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。

TEXT=MOMOKO YASUI

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