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2024.01.11

堀江貴文が声を大にして言いたい、「大腸がん」検査が超重要な理由

カラダは究極の資本であり、投資先である。そう断言する堀江貴文氏が、最先端の医療と美容情報を惜しげもなく伝授する本連載。。第28回は「大腸がん」。定期的な検診で予防も早期発見も可能な病にもかかわらず、男女合わせて年間5万人あまりが命を落としているのが現実だ。その問題はどこにあるのか? 東邦大学消化器センター内科教授の松田尚久先生に現状と改善への考えをたずねた。■連載「金を使うならカラダに使え!」とは……

堀江貴文連載「大腸がん」

早期発見のための検診がまったく生かされていない

堀江貴文(以下堀江) 5年くらい前のことなんですが、同い年の友人が大腸がんの検査を受けたんです。自覚症状はないけど、ちょうど検診のキャンペーンをやっていたから「いいきっかけ」ぐらいな感じで。そしたら便潜血検査で陽性が出て精密検査になり、内視鏡検査でステージ3の可能性もあるという大腸がんが見つかったんです。それで腹腔鏡手術を受けたら、深くは広がっていないことがわかり、結局「ステージ1」だったそうで、今でも元気にしています。

そんな経験をしているので内視鏡検査はみんながすべきと思っているんですが、全然普及していないので、松田先生にいろいろお聞きしたいと思っています。

松田尚久(以下松田) 大腸がんを取り巻く現状とジレンマをお伝えしたいです。まずは大腸がんの基本的な情報をお話しします。日本の部位別のがん死亡数ですが、大腸がんは男性では肺がんに続いて2位。女性の場合は1位となっています(2021年:国立がん研究センターがん情報サービス)。2021年の統計では、年間5万2000人を超える方が命を落としている疾患です。

進行の度合いによってステージ(病期)0から4まであり、0はがんが大腸の粘膜内に留まるもの、1は固有筋層に留まるもの、2は筋層を超えて浸潤しているもの。3はリンパ節への転移があるもの。リンパ節とは、全身の組織から集まるリンパ液が流れるリンパ管の途中にある免疫器官のことで、免疫機能を発動する関所ともいわれます。4は他の臓器への転移があるもので、手術ができなくなる場合もあります。

そして、5年間の生存率はステージ0が94%、1が約92%、2が約85%。3は77〜60%、4は18%くらいです。

堀江 進行の度合いで生存率は相当違いますね。早い発見が重要だとわかりますが、胃がんにおけるピロリ菌の除去のような予防策はあるんですか?

松田 国としてのがん予防対策は「一次予防」から「三次予防」まであります。大腸がんの「一次予防」は生活習慣の見直しです。例えば禁煙、節酒、運動。飲酒については、1日の純アルコール摂取量は約20gが“適度”という目安が出ていますね。「二次予防」はがん検診による早期発見と早期治療。そして「三次予防」とは、外科手術後の抗がん剤治療などによるがんの再発予防。ですから、大腸がんに罹患していない人にとっては「一」と「二」が予防策になります。大腸がんには、胃がんにおけるピロリ菌のような強力な原因は見つかっていませんから。

堀江 だから検診が重要ってことですね。

松田 そうです。無症状のうちに早期発見して治療につなげることが重要なので、1992年から住民検診(がん検診)として、便潜血検査を40歳以上の国民全員が受けられる体制になっています。各自治体から年に1度、大腸がん検診の案内が送られてくるはずです。

大腸の内視鏡検査は全員がすべき

堀江 大腸がんの検診受診率はどのくらいですか。

松田 国の目標は50%ですが、国民健康保険被保険者の受診率は17%と低いです(2018年:地域保健・健康増進事業報告)。便潜血検査は、大腸からの出血が便に混じっているかどうかを調べます。原因ががんとは限りませんが、詳しく調べる必要があるわけです。陽性者は受診者の約6%で、要精密検査の案内が届きます。ここで腸内を詳しく観察できる大腸内視鏡検査を行うことが多いです。しかし陽性なのに精密検査に行かず、放置している人が3割程度います。

堀江 それはなぜ? はっきりしないまま放置って、いいことないじゃないですか。

松田 精密検査に行かない理由の統計もあります。男女とも1位は「自覚症状がないから」。その段階なら早期がんの可能性が高く、治療でほぼ治るとされているのですが。2位は「いつでも医療機関で治療を受けられるから」、他に「費用がかかる」「時間がない」「内視鏡は痛くてつらそう」「恥ずかしい」など。内視鏡検査を受けると、たとえポリープが見つかっても同時に切除できるので、がんの予防にもなるのですが、これが現実です。

堀江 「忙しいから」と先延ばしにしている間に進行する可能性はあるわけですよね。

松田 精密検査の内視鏡検査で大腸がんが発見されるのは、便潜血陽性者の3〜5%くらいです。しかもその60%が早期がん。検診をせずに病院を受診した場合は、80%が進行がんだったというデータもあります。

堀江 早期発見・早期治療のための検診が、全然生かされていない。

松田 もっと啓発をしないといけないと感じています。

堀江 最初の検診で便潜血検査ではなく、内視鏡検査をすればよくないですか? 出血部位もわかるし腸内の状態をはっきり見られるし、ポリープがあったらすぐに切除できるとか、いいことずくめじゃないですか。自費診療では、そうしている医療機関も多いですよね。

松田 それについては学会など関係各所で議論されています。「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライン」の改訂作業が、がんセンター中心に行われているところですが、便潜血検査の「A評価=実施を勧める」に対して、大腸内視鏡検査は「C評価=実施しないことを推奨」となっているのが現状です。比較試験の結果をもとに今後は変わる可能性もありますが。

堀江 「50代で一度内視鏡検査をすれば、大腸がんで命を落とすことはなくなる」と言う医師もいると聞きました。

松田 私もそれくらいパワーのある検査だと思っていますが、大腸がんの予防、早期発見のためにどう社会に応用・展開をしていくか。大腸内視鏡検査を国民全員に受け入れてもらえるか、自治体と医療者側の必要な人員、受け入れ体制なども含めて課題はたくさんありますが、ひとつひとつ整理して、よりよい検診方法にしていく必要があると考えています。

松田尚久先生
松田尚久/Takahisa Matsuda
1969年生まれ。東邦大学医療センター 大森病院 消化器センター内科 センター長、消化器内科主任教授。医学博士。研究開発法人国立がん研究センター中央病院検診センター長を経て2023年より現職。 専門領域は大腸がん検診、内視鏡診断・治療。日本消化器内視鏡学会社団評議員。

堀江貴文/Takafumi Horie
1972年福岡県生まれ。実業家。ロケットエンジン開発や、アプリのプロデュース、会員制オンラインサロン運営など、さまざまな分野で活動する。予防医療普及協会理事。『不老不死の研究』『堀江貴文のChatGPT大全』(ともに幻冬舎)が発売中。

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カラダは究極の資本であり、投資先である。そう断言する堀江貴文氏が、最先端の医療と美容情報を惜しげもなく伝授する連載。

COMPOSITION=海野由利子

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