AGA、ED、男性不妊など、極めてデリケートな問題に正面から向き合い、男性ならではの健康課題の解決を目指すのが「メンテック(Men+Technology)」と呼ばれる概念だ。メンテックを切り口に新たな市場を切り拓く企業や製品、サービスなど、メンテックに関する記事をまとめてご紹介! ※GOETHE2022年12月号掲載記事を再編。
2.EDとAGAをオンライン診療で解決! 話題の新サービスOopsとは
3.ムレない、染みない! メンズ用新感覚アンダーウェア「ディアプレックス」とは
4.精子検査用在宅キットetc.男性特有の悩みを解決する最新メンテック6選
5.TENGAの最新ハイエンドモデルは、ジャイロセンサーとダブルモーター搭載!
6.スマホでいつでも精子チェック!「TENGA メンズルーペ」とは
7.衝撃波でED改善! 今注目が集まる国内初の先端医療とは
8.男性機能は大丈夫? 5つの質問でセルフチェック!
9.男性不妊治療専門家が解説! 知っておくべき、妊活の基礎知識
10.「男性特有の身体の悩みは相談しにくい」。打開策は――?
11.薄毛、ED、更年期、不妊etc. 男性の悩みにまつわる6つの疑問を解説!
1.今注目の「メンテック」。その言葉の持つ意味とは?
言葉の持つ影響力は偉大。新しい言葉が生まれることで市場が拡大したり、存在感が高まり、問題意識のない人々の心をハッとさせて、行動を起こさせます。
フェムテックは、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせた造語で、2012年にドイツの生理管理アプリを提供する女性起業家が、投資家向けに編みだした言葉。生理関連のサービスが投資家からの理解を得にくく、資金が集まらないなかで、金融とITを掛け合わせた「フィンテック」のように、女性特有の身体の悩みを解決する分野を表現するために生まれたものです。
メンテックは男性特有の身体の悩みを指しますが、なかでも薄毛、ED、男性不妊など「しかたのないこと」と諦めていたり、恥ずかしいと口に出せなかった変化やコンプレックスへの改善・治療の選択肢を提示するものだと捉えています。
2.EDとAGAをオンライン診療で解決! 話題の新サービスOopsとは
平野巴章氏は、クリエイティヴディレクターやプランナーとして広告に携わってきた。一見、畑違いのようにも思えるEDとAGAのオンライン診療での起業を考えたのは、個人的な動機だったという。
「パートナーができて、セックスをする時に勃たないことがあった。学生時代にそういう経験があったのですが、なんとかしたいという思いからクリニックを受診しようと思ったんです」
ところが、EDの治療を行うクリニックを調べると、どこもマッチョな男性が登場して「昔の自分を取り戻そう」的なコミュニケーション手法ばかりで、自身との距離を感じたという。
「“ここに行くしかないか”と都心の雑居ビルを訪ねると、丁寧な感じはまったくなく、診療は流れ作業。でも、薬はちゃんと効く。誤解されている治療の価値を正しく伝え直すことは広告の仕事に近く、自分ならできると思ったのが起業理由です」
3.ムレない、染みない! メンズ用新感覚アンダーウェア「ディアプレックス」とは
汗や尿漏れが気になって、ベージュなど淡い色のパンツは意識的に避けてきた。密かにそんな悩みを抱えてきた男の人は意外と多いのではないか。そういった悩みを解決する国内初のメンテック商品ともいうべき、男性用吸水アンダーウェアが登場した。鍵を握るのは、三菱商事ファッションが開発した独自素材DiAPLEX。同社の商品企画部長である谷本広幸氏がその特性について解説する。
「そもそもは過酷な雪山でのアウターなどに使用されている高性能防水素材です。ウレタン系形状記憶ポリマーの技術をベースに、素材そのものに温度反応記憶機能を持たせています。これによって、漏れない、ムレないというふたつの相反する課題をクリアしています」
DiAPLEXは物理的な孔(あな)を持たない無孔膜の素材。そのため防水性また微細なウィルスも透過させないといった特性がある。しかし、それではウェア内部がムレてしまうことは想像に難くない。この素材は温度が10℃を超えるとポリマーが活性化し、その隙間から水蒸気分子(湿気)をウェアの外部へ放出する優れた透湿性も有しているという。それゆえ、防水と透湿の相反する機能を両立。さらに吸水速乾、消臭機能まで付加することで、商品展開の幅を広げてきた。
4.精子検査用在宅キットetc.男性特有の悩みを解決する最新メンテック6選
クリニックでの精液検査は何かと気まずいものだが、「Dadi(ダディ)」は自宅で検査が行え、さらには精子を冷凍保存できるという米国スタートアップ企業の新サービス。キットに精液を入れて指定の場所に送ると、48時間以内に精液量や精子濃度などの検査結果レポートが送られてくる。米国内での価格は、検体3点の検査と1年間の冷凍保存つきで199ドル。
5.TENGAの最新ハイエンドモデルは、ジャイロセンサーとダブルモーター搭載!
誰かに教えられたわけでもないのに、当然のように定期的になされる行動。マスターベーションをそう定義すると、これほど不思議なものは世に少ないだろう。その作法は一般的に体系化されていない一方、行為の必要性を論じる向きも多い。男性であれば適切な頻度の射精は精子の質を上げ、ED予防にも貢献するという。
ご存知TENGAは、そんな“タブー視されたルーティン”を真面目に研究し、そのうえでカジュアル化したという点でイノベーティブな存在。新製品の「フリップゼロ エレクトロニック バイブレーション」が、またしても画期的だ。
6.スマホでいつでも精子チェック!「TENGA メンズルーペ」とは
個人的快感をサポートする一方、真摯な目線で社会を見据える。セクシャルウェルネスへ挑むTENGAの“本気度”は、TENGAヘルスケアという形で花開いている。
なかでもユニークなのが「TENGA メンズルーペ」。自ら採取した精子をスマホで確認できるこのキットは、保険治療の適用など不妊問題が大きく取り上げられる今、リリース当初の2016年と比べても存在感を高めている。
7.衝撃波でED改善! 今注目が集まる国内初の先端医療とは
年齢を重ねるにつれて勃起が不完全となっていくのは、老化により血管が衰えて血流が悪くなり、男性器内の海綿体に十分な血液が行き届かなくなるから。そのため、“膨張”しなくなるというある意味仕方のない加齢現象なわけだが、それを打開する切り札となるのが、ダイレックス社が開発したED治療専用機器「RENOVA(レノーヴァ)」だ。
8.男性機能は大丈夫? 5つの質問でセルフチェック!
Q1.勃起してそれを維持する自信は?
0点:なし 1点:非常に低い 2点:低い 3点:どちらとも言えない 4点:高い 5点:非常に高い
Q2.性的刺激による勃起の場合、どのくらいの頻度で挿入可能な硬さになるか?
0点:なし 1点:ほぼなし 2点:たまに 3点:ときどき 4点:しばしば 5点:ほぼ毎回
9.男性不妊治療専門家が解説! 知っておくべき、妊活の基礎知識
日本人カップルの6組に1組は不妊に悩んでいるといわれる昨今。男性の不妊治療専門の、恵比寿つじクリニック助川玄副院長に話を聞いた。
「35歳を過ぎると、妊娠しづらくなるくことは知られていますが、卵子だけでなく、精子も老化現象が起こる。妊活を半年続けても妊娠しない場合、負担の少ない男性から男性不妊治療専門医のいる施設での検査をお薦めします。実は不妊の50%以上は男性にも原因があるからです」
不妊検査は女性の場合、身体的苦痛と精神的ストレスを伴う。一方、男性の検査は、採血の痛みに耐えるくらいで負担が圧倒的に少ないという。
10.「男性特有の身体の悩みは相談しにくい」。打開策は――?
私がEDに悩んだのは、30代前半の頃だった。「こんなことで悩む年齢じゃないのに……」、そう考えてしまい病院にも行けず、パートナーにはセックスに興味がないように装った。ほとんどセックスをせずに10年付き合い、結局、それが主因で別れてしまった。正直、後悔している。
昨今、「フェムテック」という言葉が商品やサービス、売り場の広がりをもたらし、生理の貧困から更年期までが従前より声高に叫ばれるようになった。対して「メンテック/オムテック」を聞く機会は少ない。特に性的な問題については、「そんな話、おおっぴらに語るモンじゃない」という風潮も根強いし、それは男性にありがちなマッチョな文化やホモソーシャル(男の絆)も大きく影響しているのではないだろうか?
11.薄毛、ED、更年期、不妊etc. 男性の悩みにまつわる6つの疑問を解説!
1.メンテック市場はこれから拡大予定?
世界の不妊治療の市場規模は2026年までに22億ドル(約2,500億円)と予測されている。最近ではビル・ゲイツ氏がダンディー大学の開発する男性用避妊薬におよそ170万ドルを提供。一方、日本国内の生理関係を除いたフェムテックの市場規模は約520億円で、メンテックの“潜在市場規模”もこれと同程度に急成長すると見られている。
2.AGA都市伝説はウソ? ホント?
薄毛にまつわる疑問をDクリニック新宿 院長小山太郎氏に聞いた!
Q.海藻でAGAを予防できる?
→ウソ。食材では髪は増えない。
Q.白髪が多いと薄毛にならない?
→ウソ。無関係。
Q.帽子を被ると抜け毛が増える?
→ウソ。紫外線予防には◎。
Q.スカルプケアや頭皮マッサージは効果あり?
→ホント。頭皮の炎症や痒みによる抜け毛に有効な場合も。