まだまだ聞き慣れない「メンテック」というワード。各界の識者は今後のメンテックに何を期待するのか。まずは、その言葉の持つ意味を正しく理解するところから始めたい。【特集 メンテック最新案内】
フェムテック起業家から見るメンテックの在り方
言葉の持つ影響力は偉大。新しい言葉が生まれることで市場が拡大したり、存在感が高まり、問題意識のない人々の心をハッとさせて、行動を起こさせます。
フェムテックは、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせた造語で、2012年にドイツの生理管理アプリを提供する女性起業家が、投資家向けに編みだした言葉。生理関連のサービスが投資家からの理解を得にくく、資金が集まらないなかで、金融とITを掛け合わせた「フィンテック」のように、女性特有の身体の悩みを解決する分野を表現するために生まれたものです。
メンテックは男性特有の身体の悩みを指しますが、なかでも薄毛、ED、男性不妊など「しかたのないこと」と諦めていたり、恥ずかしいと口に出せなかった変化やコンプレックスへの改善・治療の選択肢を提示するものだと捉えています。
私は起業して4年目になりますが、フェムテックという言葉が男性の理解を遠ざけていると感じるシーンも多い。男女それぞれが自分の気になる身体の悩みを理解できる世の中になるためには、メンテックの盛り上がりが必要不可欠。
そして、いつかはフェムテック、メンテックという言葉がなくても、自分、そしてお互いの身体をケアするのがスタンダードになることを願います。