加齢や病気の影響で、汗かきや尿のちょい漏れで悩む男性は意外と多い。それらの悩みを繊維技術で解決する新感覚アンダーウェアが登場した! 【特集 メンテック最新案内】
男性の悩み解消にチャレンジ! 国内初のメンテックウェア
汗や尿漏れが気になって、ベージュなど淡い色のパンツは意識的に避けてきた。密かにそんな悩みを抱えてきた男の人は意外と多いのではないか。そういった悩みを解決する国内初のメンテック商品ともいうべき、男性用吸水アンダーウェアが登場した。鍵を握るのは、三菱商事ファッションが開発した独自素材DiAPLEX。同社の商品企画部長である谷本広幸氏がその特性について解説する。
「そもそもは過酷な雪山でのアウターなどに使用されている高性能防水素材です。ウレタン系形状記憶ポリマーの技術をベースに、素材そのものに温度反応記憶機能を持たせています。これによって、漏れない、ムレないというふたつの相反する課題をクリアしています」
DiAPLEXは物理的な孔(あな)を持たない無孔膜の素材。そのため防水性また微細なウィルスも透過させないといった特性がある。しかし、それではウェア内部がムレてしまうことは想像に難くない。この素材は温度が10℃を超えるとポリマーが活性化し、その隙間から水蒸気分子(湿気)をウェアの外部へ放出する優れた透湿性も有しているという。それゆえ、防水と透湿の相反する機能を両立。さらに吸水速乾、消臭機能まで付加することで、商品展開の幅を広げてきた。
「近年、フェムテック市場の拡大で、当社でもサニタリー、吸水ショーツなどの実績を積んできました。そうしたなか、男性ならではのメンテック商材はどうかという話が持ち上がり、アンダーウェアにDiAPLEXのような高機能素材が使われることに強い関心が寄せられました。汗かきや尿のちょい漏れなど、男性の悩み解消に向けてチャレンジしようということになりました」と、商品開発リーダーの栗原司氏は開発の経緯を語った。
ビジネスモデルは基本的にB2B。しかし今回、新たな取り組みとして一般消費者の反応をダイレクトに読み取れるクラウドファンディングのMakuakeを活用している。
「消費者のニーズを調査するということが一番のポイントです。2日間で消化率が75%を超えて、予想以上の手応えを感じました。年齢も20代から70代まで幅広い層に購入いただいています。また、SDGsへの取り組みとして、サンプル品は必要最低限とし、商品動画はすべてCG制作しています。機能説明に関しても防水と透湿をどう両立しているのかを可視化し、わかりやすさに注力しました」と谷本氏。栗原氏が続ける。
「このメンテック商品の開発においては地方創生の意図もあり、縫製はメイド・イン・ジャパンにこだわっています。3Dフィッティング技術によってはき心地はよく、多くの方にリピートいただいています」
テクノロジーによって、男性の課題解決に向けた商品開発が行われている。