GOLF

2025.09.27

オーバースイングもダメ、小さいトップもダメ…バックスイングの正解とは

今回は、飛距離アップにつながる大きなトップを作るための練習ドリルを紹介する。

小さすぎるトップの原因はスピード不足と上半身優位

ゴルフスイングについては、誰しもさまざまな課題や悩みを抱えている。そのなかでもトップ・オブ・スイングは、アマチュアゴルファーだけでなくプロゴルファーであっても理想を求め、試行錯誤を重ねる部分だ。

トップポジションの問題といえば、まず思い浮かぶのはオーバースイングだろう。

特にアマチュアゴルファーは、ボールを遠くに飛ばそうとするあまり、腕を使いすぎてオーバースイングになってしまうケースが多い。

一方で、「体が十分に回らずトップが上がらない」と悩む人もいる。

体の硬さや年齢による体力低下で、大きくクラブを上げることが難しい人もいるかもしれない。しかし、トップが小さくなる原因はそれだけではない。

バックスイングのスピードが遅かったり、下半身を使えていないことが大きな要因となっているケースもある。

ローリー・マキロイをはじめとするPGAツアー選手のスイングをじっくり観察してほしい。おそらく想像以上にバックスイングが速いことに驚くはずだ。

クラブを上げるスピードが速ければ、途中で止めようとしても簡単には止まらず、惰性によって自然とトップは大きくなる。逆にスピードが遅ければ勢いがつかず、大きく上げることが難しくなり、トップは小さくなりやすい。

また、下半身を使わずに肩を一生懸命回そうとする人も少なくない。だが、胸椎の回旋角度は約30~35度、腰椎はせいぜい5度程度であるため、上半身の回転だけでは大きなトップは作れない。

さらに、上半身だけをねじるような動きになると体幹に過度なストレスがかかり、腰を痛める原因にもなる。バックスイングを大きくするには、下半身と上半身の連動が不可欠なのだ。

下半身を使って勢いよくクラブを上げる

今回は、大きなトップを作るための練習ドリルを紹介したい。トップを大きくしようと思っていない人でも、バックスイングを速くすることは飛距離アップにつながるので、ぜひ参考にしてほしい。

まずはクラブを逆手でグリップし、通常のアドレス位置よりもフォロー側からバックスイングを始める。

クラブが地面と平行になるあたりからスタートすると、自然とバックスイングに勢いがつき、クラブを大きく上げやすい。逆手でグリップしているため、動作は左利きのフォロースルーのような形になる。

実際に左利きになったつもりで、しっかりフィニッシュまで振り切ってみてほしい。そうすれば、右打ちのトップポジションに当たる部分が大きくなっていることが実感できるはずだ。

このとき重要なのは、上半身だけではなく下半身をしっかり使うことだ。

始動で右足を一歩踏み込み、フィニッシュでは左足のかかとを上げてつま先立ちになるように振ると、下半身の動きによって上半身が自然に回転する感覚を体で覚えることができる。

逆手での素振りを何度か繰り返して感覚をつかんだら、次は通常のグリップに戻し、同じようにフォロースルーの位置から素振りをしてみよう。

逆手のときと同じ動きができれば、自然と大きなトップが作れるはずだ。もちろん、スイングの出だしのスピード感と下半身の使い方は忘れずに意識してほしい。

これまでよりもバックスイングの速度が速く感じて違和感があったり、体が伸び上がるような感覚になる場合もある。しかし、それは従来の動きに制限が多すぎただけなので心配はいらない。

上下方向の動きは問題ないが、左右のブレは少なくするよう注意しながら練習に取り組んでほしい。

バックスイングが小さいことに悩む人の多くは、「肩をしっかり回そう」「正しいトップを作ろう」と真面目に考えすぎている。その結果、トップ・オブ・スイングが小さくなり、飛距離も伸びなくなってしまう。

そんな人は、まず「勢いよくバックスイングを上げる」という意識を持ってみてほしい。下半身を使ってスピーディーなバックスイングをすれば、自然とトップは大きくなるはずだ。

飛距離アップにつながる大きなトップを作るための動画解説はコチラ

◼️吉田洋一郎/Hiroichiro Yoshida
1978年北海道生まれ。ゴルフスイングコンサルタント。世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベター氏を2度にわたって日本へ招聘し、一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。『PGAツアー 超一流たちのティーチング革命』など著書多数。

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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