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GOLF

2023.12.09

グリーン周りで、トップやダフりがちな人のためのアプローチ術

今回は飛距離アップのスイングについて。連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】

アプローチのミスの原因は利き手の使い過ぎ

アマチュアゴルファーのスコアが伸び悩む原因として、グリーン周りのアプローチでミスを重ねてしまうことが挙げられる。アプローチショットではグリーンに乗せるだけではなく、できるだけカップに寄せたいと欲が出てしまうものだ。

カップが目の前にあるため、カップインを狙って力が入ってしまったり、逆に慎重に打とうとしてインパクトが緩んでしまうこともある。その結果、ボールをうまくとらえられず、地面を叩いたり、トップしたりしてスコアを崩してしまう。

このようなミスは、利き手の使い過ぎが引き起こす場合が多い。頭では手先を使ってクラブをコントロールするべきではないとわかっていても、ターゲットまでの距離が近いアプローチショットでは器用な手を使って距離を合わせたくなってしまう。

また、ボールが地面にあるため、本能的に手ですくい上げたくなってしまうこともある。クラブのロフトを生かして打てばいいとわかっていながら、ついつい器用な利き手を使ってしまいミスが出てしまう。

体の回転で打つための練習としても効果的

アプローチで手を使う癖が抜けない人のために、今回はクロスハンドアプローチを紹介しよう。クロスハンドグリップといえば、パッティングで左右の手を逆にする逆手グリップを思い浮かべる人も多いだろう。

このグリップはパッティングストローク中の利き手の使い過ぎを抑える効果があるが、アプローチショットでも同様の効果が期待できる。

プロゴルファーにとっても、自分で振り幅や力加減を決めなければいけないアプローチショットは難しいものだ。アプローチが苦手な選手の中には、アプローチの再現性を高めるためにクロスハンドでアプローチショットを打つ選手がいる。

2022年の全米オープンを制したマシュー・フィッツパトリックは、グリーン周りで腰から下の振り幅でおこなうクロスハンドチッピングを行っている。メジャー3勝・PGAツアー34勝の実績を持つビジェイ・シンは、短い距離をクロスハンドで打つだけではなく、50ヤード前後の距離のある状況や、ボールを高く上げるロブショットもクロスハンドで打つ。

誰もがシンのようにどこからでもクロスハンドでアプローチを打てるわけではないが、短い距離で確実にグリーンに乗せて寄せたい場面では効果を発揮する打ち方だ。

また、利き手の使い過ぎを抑えることができるので、体の回転でスイングする感覚を身に付けるドリルとして練習に取り入れてもいい。前出のプロゴルファーたちのようにラウンド中にクロスハンドにしなくても、練習場でアプローチ練習の一環として取り入れている選手もいる。

クロスハンドアプローチを実際に見る機会は少なく、イメージがわかないかもしれないが、左右の手を入れ替える以外は通常のアプローチショットと変わらない。グリップの握り方は、普段と右手と左手を入れ替えるだけでいい。左脇をしめて左手とクラブを一本の棒のようにイメージし、手や腕を使わずに体の回転でクラブを振るようにする。

フィニッシュではおへそがターゲットを向くように体を回転させる意識を持ってほしい。まずは、ピッチングウェッジなどのロフトの立ったクラブを持ち、腰から下の振り幅で20ヤードくらいボールを飛ばすようにするといいだろう。

いきなりコースでクロスハンドアプローチを使うことは難しいので、まずは練習場でドリルの1つとして取り組むといいだろう。利き手の使い過ぎをおさえながらアプローチを打つ感覚が身に付くはずだ。実際のコースでも使えるようになれば、コース攻略の幅が広がることだろう。

動画解説はコチラ

■連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】とは
世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子によるゴルフレッスン。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

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TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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