今回は体と腕がシンクロしたスイングを身につける練習法について。連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】。
体と腕がシンクロさせて、再現性を高める
最近のPGAツアーでは、ノルウェーのビクトル・ホブランやスウェーデンのルドビグ・アバーグら北欧出身の選手の活躍が目につく。
そんな北欧選手のなかで2024年躍進が期待されるのが、デンマーク出身のニコライ・ホイガードだ。2024年3月に23歳になるホイガードは、2023年のライダーカップに初選出され、ホブランやアバーグとともに米国チームと戦った。
欧州ツアーでは最終戦のDPワールドツアー選手権ドバイで優勝し、年間ランキングで2位となる活躍を見せた。PGAツアーでも、2023年3月のコラレスプンタカナリゾート&クラブ選手権で2位、2024年もファーマーズ・インシュランス・オープンで2位に入り、PGAツアー初勝利まであと一歩のところまできている。
ホイガードのスイングの特徴は、ほとんどコッキングを行わないノーコックバックスイングだ。
バックスイングでは右肘が曲がるタイミングが遅く、手首のコッキングも少ないため、コンパクトなトップ・オブ・スイングになっている。
体の動きを主体として、手首や腕を使わずにバックスイングを上げることで、体と腕のシンクロが高まり、スイングの再現性が向上するメリットがある。
手先でクラブを持ち上げる傾向がある人は、ホイガードのバックスイングを参考にすることで、スイングの再現性が高めることができる。
右手一本のノーコックバックスイングで同調性を高める
ホイガードのような体と腕がシンクロしたスイングを身につける練習法を紹介しよう。右手一本でクラブを振るシンプルな練習法「ノーコックバックスイングドリル」だ。
この練習では、左手で右上腕の外側を押さえて右わきをしっかり締め、右肘と右手首を曲げないように意識して、ノーコックの状態でバックスイングをする。右腕が一本の棒になったつもりで腕を上げてバックスイングしてほしい。
バックスイングでは右肘を早くたたんだり、手首をコッキングするものだと思っている人がいるかもしれない。しかし、右わきが締まっていれば右肘は自然と曲がり、手首もクラブの重みで適度な角度がつく。
肘や手首は能動的に曲げるものではなく、他の部位の動きに連動してスイング中に自然と曲がるものだと考えよう。そうすれば、バックスイングで手や腕を使ってクラブを持ちあげることもなくなり、スイングの再現性が高まる。
手や腕を使ってバックスイングをするクセが身についている人は、「体の回転でスイングしよう」と頭で考えていても、いつの間にか手上げになってしまう。今までのクセを打ち消すためにも、器用な利き手を使わないように右サイドを教育して、不必要な動きを排除してみるといいだろう。
右手一本のノーコックバックスイングを練習に取り入れて、ホイガードのような再現性の高いスイングを目指してほしい。
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■連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】とは
世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子によるゴルフレッスン。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。