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GOLF

2023.12.25

年1回の検診で変わる! 最先端技術の“ゴルフ人間ドック”を体験してわかったこと

健康診断のようにゴルフでも年に一度は自分の状態を把握する重要性を推奨し、2024年1月1日からスタートするのが「ゴルフ人間ドッグ」だ。受診できるのは東京・代官山にあるプレミアムゴルフスタジオ。今回はいち早く体験させてもらったその内容をレポートする!

レッスンではなく、あくまでも検診

2024年1月1日からスタートするゴルフ界における革新的な試み。その名も「ゴルフ人間ドック」。提案するのは東京・代官山にあるプレミアムゴルフスタジオだ。

毎年の人間ドックが近づいてくると憂鬱な気持ちになる人もいるだろうが、健康を維持するため重大な疾患を早期に発見するためには人間ドックの受診はマスト。

「ゴルフ人間ドック」とはいわばゴルフ版人間ドックで、自身のスイングの癖だけでなく、身体の特徴や悪い動きを可視化して、数値に落とし込むことができる。

なぜこういう球が出るのか、なぜ同じミスが出るのか、それらの原因解明の糸口になるのがこの「ゴルフ人間ドック」だ。

「ゴルフ人間ドッグ」で必要になるのは、2日間のスケジュールと自身のクラブ(1日目は診断で2日目が診断結果の説明。結果が出るまで5日ほどかかる)。

いくつかの問診を行ったのちに、TPI(タイトリスト パフォーマンス インスティテュート)を用いた身体測定を行う。

TPIは、今や世界のトッププレーヤーたちが当たり前のように取り入れているゴルフメーカー・タイトリストが創設したゴルフスイングに関する世界最高峰のプログラム。実はこれを体感できるだけでも価値がある。

そのTPIをベースとした身体チェックと実際のスイングとを合わせて確認することで、自身のスイングに関するあらゆる「なぜ?」が明確に解明されていく。例えば「力はあるのに飛ばない」「アプローチで必ずダフる」「ドライバーは得意なのにアイアンは苦手」など。

私自身の発見を先に話しておくと、まずTPIでは肩周りの可動域が狭いことがわかり、そこからトップのポジションを小さくしたほうがより効率のいいスイングができることがわかった。要は無理にトップを上げようとする必要はないということ。

また、左への引っかけミスを嫌がってインサイドからクラブが入りすぎないようにしていたことが原因で、アーリーリリースになり外側からクラブが入りすぎていたことも判明。

むしろ、もっとインサイドから入れる必要があることがわかり、全く逆の動きを長く練習していたわけだから、スコアが良くなるはずがない……。

ただ、計測結果から判明した症状に関しての説明はあるものの、レッスンを行われることはない。もっと平たく言うと、プレミアムスタジオがレッスン生徒を集めるためのものではないと言うこと。

あくまでも人間ドッグと同じ、様々な角度から総合的な診断を行うことで、今のゴルフの状態を調べ、現状を知るためのプログラムなのだ。

スイングの見えない部分を数値で可視化

スイング診断に用いられるのはARTRAY(アートレイ)、GEARS(ギアーズ)、Swing Catalyst(スイングカタリスト)、GCQuad(GCクアッド)という4つのスイング解析機器。

どれも世界のトッププレーヤーが使用するもので、ゴルフ好きなら耳にしたことがある機器ばかりだが、特筆すべきはこれだけの機器がすべて揃っているという点にある。

病院に例えるなら、大病院でなければ持つことのできない最新機器ばかり。もちろんすべてそろえるとなるとゆうに1000万円は超え、金額も相当なものだ。

けっして町の病院が悪いわけではないが、小さな病院では見つけられなかったり、対処できない病気や怪我があるように、ゴルフにおいてもこういった最新鋭機器があるからこそ正確な診断ができることは間違いない。ゴルフも動きを解析・データ化し、可視化する時代に入っているのだ。

自身のクラブ(ドライバー、7番アイアン、ウェッジ、パター)を用いてデータを計測。現状の正確な数値を弾き出すことで、自分に合った適切なクラブもわかってくる。

プレミアムゴルフスタジオを主宰する植村啓太氏は、これだけのハードが揃っている施設は日本国内では少ないと話す。

「これらの機器を用いて算出された数値を正確に読み取り、それを受診者に対して的確に伝えられるかが重要です」

プレミアムゴルフ内のK’s Island Golf Academyを主宰する植村啓太氏
プレミアムゴルフ内のK’s Island Golf Academyを主宰する植村啓太氏。「ゴルフ人間ドッグ」の発起人で商標登録も取得し、この検査がゴルフ界におけるスタンダードになることを望んでいる。

レギュラーツアーで2023年に初優勝した鍋谷太一プロや、2023年予選落ちゼロの小木曽喬(おぎそたかし)プロなど、最近は数値を可視化してブレイクしたプロゴルファーも多い。

ジュニア時代から感覚重視でゴルフをやってきたものの、段々と上手くいかなくなる。そこでこれらの機器でスイングを可視化して、すべての疑問が合点したという話はプロからよく聞く。

アマチュアゴルファーにとっても同じことが言え、数値化による可視化で、自分のゴルフに対して納得度が高くなる。

「ゴルフ人間ドッグ」では計測したあらゆる数値をデータ化して診断結果をカルテとして渡してくれるとともに、データの見方も説明し、後で見れるように説明動画も提供される。いつでも自分のデータを見直すことができるのも嬉しいポイントだ。

体の変化がスイングに影響を及ぼしている

ゴルフ人間ドッグは現状の自分の状態を知ることが目的だが、そこからどのようにスコアアップにつなげていくのか方向性も明確になる。

私の場合、肩周りの可動域が小さかったことでコンパクトトップを目指せばいいんだと、気持ちが楽になったし、スイングカタリストでは自分ではまったく意識していなかったが、意外と地面を踏めていたこともわかった。

要するに意識していなくてもきちんとできていることもわかるので、最短距離でその時の自分にとってのベストなスイングが明確になる。

「体の状態とスイングには密接な関係があります。年齢を重ねるほど、いわゆる体の劣化は進むので、体の変化に合わせてスイングも変化させる必要があることを知っていただきたいです」

年に一度はゴルフ人間ドックの検診を受けてほしいと植村氏は言う。

「ゴルフにおいて基準点を知ることは何よりも重要なことです。まずは自分自身を知ること。多くの人が自分の状態を知らないから迷子になってしまう。ゴルフ人間ドックは、上達するための基準点になるものです」

本当の意味でゴルフを生涯スポーツとして楽しみ続けるためにも、一度自分のスイングを丸裸にしてみてはいかがだろうか。

TEXT=出島正登

PHOTOGRAPH=鈴木規仁

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