今回は効果的な朝の準備について。連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】とは……
【クラブ2本の素振りで正しい体の動かし方も身につく】
寒い日が続くが、ラウンドや屋外で練習するゴルファーは多い。熱心にゴルフに取り組むのは素晴らしいことだが、冬はいきなり体を動かすとケガをする可能性があるので、練習やラウンド前にストレッチやウォーミングアップを入念に行ってほしい。様々なウォーミングアップ方法があるが、クラブ2本を使った素振りはプロゴルファーも取り入れているポピュラーな練習なので、馴染みがあるかもしれない。2本のクラブを振ると、重量があるため下半身を使ったスイングをイメージできるし、体に適度な負荷がかかるのでウォーミングアップとしてちょうどいい。
この素振りはクラブ2本分の重さがあるため、手先や腕だけではうまくスイングすることが難しい。手や腕を主体としてクラブを振ろうとすると、スイング軌道が安定しない上に、手や腕が疲れることもあり何回も素振りを行うことができない。重いクラブをスムーズに何回も振るためには、手や腕に頼らずに体全体を使ってスイングする必要がある。この素振りを繰り返すことで、自然と体の大きな筋肉を使ったスイングが身につきやすくなる。加えて、クラブの重さによってスイングに勢いがつくので、クラブの動きによって体が動かされる感覚を養うことができる。
スイングスピードを上げるためには、クラブの重みや、クラブのエネルギーを使ってクラブに仕事をさせることが欠かせないが、2本分の重量によってクラブの動きを意識することができるため、適切なクラブの使い方を体感することもできるようになる。
【クラブに動かされる感覚を身に付けよう】
クラブ2本を使った素振りの方法を、順を追って説明していきたい。まず、使用するクラブは、8番アイアンからピッチングウェッジまでの短いクラブを選択する。クラブを持つときは、両手に一本ずつ持って振る方法もあるが、できれば2本のクラブを1本のクラブのように持ちたい。できるだけ2本のクラブのグリップ部分を近づけて一体化し、普段グリップするように持ってほしい。ただ、手の小さな人は普段通りのグリップで2本のクラブを持てないかもしれないので、野球のグリップのように手のひらで握ってもかまわない。
セットアップが完了したら、最初はクラブの重さを感じながら、いつものスイングで振ってみよう。普段のスイングとは違い、クラブが重くなることによって、体やスイング軌道に様々な影響があることが感じられると思う。
クラブの重さに慣れてきたら、下半身を使ってスイングをしてみてほしい。バックスイングでは右足を踏み込み、下半身を使いながらクラブを上げる。クラブの重みによって、いつもよりトップ・オブ・スイングの位置が大きくなるだろう。ダウンスイングでは、左足を踏み込み、クラブの重みによってダウンスイングの勢いが増し、フォロースルーでクラブの重さに引きずられて腕が伸びる感覚があるはずだ。下半身を使ってスイングをすることで、クラブの重さに負けずにスムーズにスイングができるように感じられるだろう。
この練習によって、クラブの勢いを上手く利用して、体を動かす感覚を身に付けてほしい。クラブの勢いを利用することで、体への負担も軽減され、体に優しいスイングができるようになる。特にバックスイングを必要以上にゆっくり上げている人や、手先に頼ってクラブを下ろしてしまう人は、クラブの勢いによってスムーズなスイングになるだろう。
この練習で気をつけてほしいことは、手先でクラブをコントロールしないことだ。腕力を使って重いクラブを振っても、手や腕などの末端が鍛えられるだけで意味がない。手や腕に頼ってしまうクセがある人は、両脇をがっちりと締めて肘を伸ばし、手首を使わずにノーコックで振る練習を行うといいだろう。末端部分を動かすことができない状態で重いクラブを振ることで、体の大きな筋肉を使ったスイングができるようになる。特に下半身を積極的に使って素振りを行うように気をつけてほしい。
重いクラブを振る練習によって、クラブと体を適切に使うスイングが身につくようになる。寒い時期は重いクラブで素振りを行い、体を動かせる状態を作ってからラウンドや練習に臨んでほしい。
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連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】とは……
世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子によるゴルフレッスン。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。