伝説の名作から推しのポートレート、果ては気分をアゲる色・柄、最上級の肌触りまで。Tシャツは、着る人のパーソナリティにウィットと奥行きをプラスするブースターだ。この夏屈指の“一枚”を、いざ選ばん! フォトグラファーTシャツ編。スタイリスト・野口強による連載「The character of G」。
1.ブルース・ウェバー
1990年代にリリースされたカルバン クライン ジーンズのフォトTは、当時のキャンペーンフォトを手がけたブルース・ウェバーが撮影したもの。彼が手がけた一連のフォトTは、ヴィンテージTのなかでも特に人気が高いのも大いに頷ける。
2.ロバート・メイプルソープ
Tシャツの前後にプリントされているのは、裸の男性を彫刻に見立て、四方から撮影したロバート・メイプルソープの連作『Ajitto,1981』。シカゴ現代美術館のミュージアムショップで販売されていたフォトTで、こちらも希少度はかなり高い。
3.スティーヴン・マイゼル
センセーショナルなスローガンと写真で構成されたTシャツは、’90年代初期のエイズ撲滅キャンペーンのために作成、販売された希少なヴィンテージ。撮影はのちにファッションフォトで一時代を築くことになる、スティーヴン・マイゼル。
4.ヘルムート・ニュートン
’80年代のニューウェイブ・アイコンであるグレイス・ジョーンズと俳優のドルフ・ラングレンのペアショットは、ヘルムート・ニュートンがLAで1983年に撮影したもの。完璧な構図とパワフルなダイナミズムは、Tシャツの上でも健在。
5.デイビッド・シムズ
プリントされているのは、ファッションフォトグラファーのデイビッド・シムズが1993年にケイト・モスを撮影した当時の広告ビジュアル。19歳の彼女が放つ透明感のある佇まいは、30年後の今も永遠の輝きを放ち、尊い。
6.森山大道
日本を代表する写真家・森山大道がロンドンで撮影した写真をフロントにダイナミックにプリント・オン。スタイリングに骨太な存在感が付加され、好きな写真家の作品を「着る」ことができるフォトTの醍醐味が堪能できる1枚。
7.サイモン・パーカー
Sex Pistolsの親衛隊「THE BROMLEY CONTINGENT」のひとり、サイモン・パーカーが1976~’78年にポケットカメラで撮影したファミリー・アルバム『パンクスデッド/サイモン・バーカー』。2024年3月に東京で開催された展覧会Tは思わず手が伸びる出来。
8.スティーブン・ギル
英国人の写真家スティーブン・ギルの作品『Outside in 2010』を、白地のボディに転写プリントしたオーバーサイズTシャツ。ドラマティックな構図に思わず目を奪われ、見た目のインパクトも格別な1枚。