友人宅に急にお呼ばれした場合やちょっとしたプレゼント、自宅でのカジュアルなランチ会などの際に、近所のスーパーやデパートなどで5,000〜1万円で買える“ちょっといいワイン”を知っておくと大変便利なもの。おいしいのは絶対条件で、ちょっと蘊蓄も語れると最高ですよね。そんな「街中で買える、1万円以下の“お宝ワイン”」を、年間1000種類近いワインをテイスティングし、つねにおいしいワインを探し求めているワインブロガー・ヒマワイン氏がご紹介。

普段はワインを飲まない人でも楽しめる1本
先日普段歩かないエリアを散策していたところ、東京23区の北エリアを中心に出店するスーパー「よしや」を発見しました。スーパーがあるとそのワイン棚をチェックしたくなるのは安ワイン愛好家の常。早速入店してみました。
よしやはワインの直輸入もしていて、その売り場はかなりしっかりしています。そして、その棚からこの季節にピッタリな1本を見つけ出すことができました。それが、スペインの生産者、フアン・ヒルの「クアトロ・メセス SAKURA」です。なぜこの季節にピッタリなのか、ワイン名ですでにネタバレしております。
ワイナリーのオーナーが桜並木の美しさに感動、しかも自身の所有するワイン畑が広がる丘の名前は「桜を意味するスペイン語=CEREZO」だったことに深い縁を感じ、日本限定キュヴェとしてこの「SAKURA」をリリースしたというワインです。これはもうお花見に持って行く一択ではないでしょうか。
ちなみに「クワトロ・メセス」はフォー・マンセズ、すなわち4ヵ月を意味し、フレンチオークとアメリカンオークで4ヵ月の樽熟成を行っていることに由来します。
使用している品種はモナストレル。聞いたことないなって方も多いかもしれませんが、実はこの品種、フランスではムールヴェードルと呼ばれ、南ローヌでシラーやグルナッシュとブレンドされ「GSMブレンド」と呼ばれるワインとなります。
ブレンド内での役割は、色と果実味をアドオンし、アルコール感によって骨格をつくること。それを単一で使うので、果実味とボリュームあふれるワインになるわけですね。ちょっぴりマイナーだけど、私はこの品種が大好きです。
ワインの話に戻りましょう。このワインは、年間3,000時間の日照に対し、降水量わずか300mmという厳しい環境で育てられています。結果、ワインには凝縮感がみなぎり、旨みの詰まった味わいになっています。適切なたとえじゃない気がしますが、開けた瞬間から二日目のカレー状態(いきなり旨いの意)なのです。
味わいにおいてはベリー系の濃い果実味と、樽熟成由来のアルコール感や厚みを感じられるのですが、それに反して香りは繊細。ピンクから紫にいたる花々の香りが漂います。どことなく桜の香りがする……のはおそらく気のせいですが、フローラルな、いつまでも嗅いでいたくなる香りがするのは事実です。
お値段も2,000円台と非常にリーズナブル。ものすごく飲みやすいので、普段はワインを飲まない人も多く集まる花見の席でシェアするにも最適です。
花見でなくとも、テーブルにドンと置いておくだけでそこを即席の花見会場に変えてくれるラベルが秀逸。ぜひ、お近くのスーパーやワインショップで探してみてくださいね!
ヒマワイン
年間約1000種類のワインを飲み、「ヒマだしワインのむ。」というブログを運営するワインブロガー。高いワインも安いワインも、地球上で造られるすべてのワインが好き。

