食に対して圧倒的な情熱とこだわりを持つ秋元康、小山薫堂、中田英寿、見城徹が選ぶ、最強にして超最新レストランガイド「ゲーテイスト2025」。人生をアップデートする「特別な美食体験」ができる店から、今回は京都・綾部の「田舎の大鵬」をご紹介。

秋元「生きることや食べることの意味を改めて思う、忘れがたい体験」
自然豊かな農村地帯で、そのくらしに触れる農家楽(ノンジャーラー)。中国では地域に根づく文化や郷土の食を体験できると、ツーリストの人気を集めている。京都府北部に位置する綾部市の『田舎の大鵬』は、風光明媚な土地で中国式の農家楽を体現する。
秋元 最初は堀江(貴文)さんの誘いに、なかなかタイミングが合わなくて。どうしてもうかがってみたいという念願がやっとかないました。
小山 京都の二条にある『大鵬』という中国料理店の息子さんが始められたんですよね。京都市内からクルマで1時間半くらいですか?
秋元 そうです。実際に行ってみたら、想像していたより遥かにすごかった。日本の原風景のような自然に囲まれていて。
見城 そこに中国料理のお店があるの?
秋元 お店というよりは、半分、屋外という感じですね。敷地内で野菜や米を栽培したり、鶏や豚、馬も飼っています。
見城 京都にそんな場所があるのが驚きだよ。そこで飼っている鶏や豚も食べるんだ?
秋元 僕がうかがった時は子豚の丸焼きをいただきましたが、鶏は絞めるところもお客さんに見せます。たまにお子さん連れのお客さんも来られるそうで、うちの子にはまだ早いかなと言う親御さんもいるようです。店主の渡邊さんはそういう時「本人が決めたらいいと思います」と仰るそうです。
見城 まさに食育だね。
秋元 そうですね。子供だけではなく、大人にとっての食育でもあるかもしれない。「家畜である以上、人間のために生まれて人間のために死んでいく。だからこそ生きている時は感謝して精一杯の愛情を注ぐ」というのが渡邊さんの考え方です。
小山 料理が美味しいとかそういう次元を超越していますよね。
秋元 ただただありがたいと心から思ったし、人間が生きることの意味を考える体験でした。鶏や豚のほかに近くの川で獲れたすっぽん、鯉などの魚が食卓に上がることもあるそう。京都の大自然と食が好きな友人8人くらいで行くのがお薦めです。
この記事はGOETHE 2025年9月号「特集:陶酔レストラン ゲーテイスト2025」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら