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2025.01.28

ローラン・ペリエ、ジェームズ・ボンド…シャンパーニュ名言5選【まとめ】

創立以来の伝統を守り、最高のものをつくり続ける大手メゾンのCEOや最高醸造責任者に、ブランドの過去、現在、未来について話を聞いたインタビュー記事をまとめてご紹介。※2024年12月掲載記事を再編。

名門メゾンのバブル哲学5選【まとめ】

1.時を超えて受け継がれる、ローラン・ペリエの集大成シャンパーニュ「グラン シエクル」

ルーシー ペレイル ドゥ ノナンクール氏

1939年にドゥ ノナンクール家が経営を引き継いだ時、ローラン・ペリエは売り上げ100位前後の小さなメゾンに過ぎなかった。しかし戦後、さまざまな新基軸を打ちだし、業界屈指のトップメゾンにまで押し上げたのが、2010年に他界したベルナール ドゥ ノナンクール氏である。

そのベルナール氏の孫娘で、「グラン シエクル」のグローバルアンバサダーを務めるのがルーシー ペレイル ドゥ ノナンクール氏。現当主、アレクサンドラ ペレイル ドゥ ノナンクール氏の長女にあたる。

「祖父のことはよく覚えています。心が広く、笑顔の絶えない人でした。一方で要求も多く、細部にまでこだわる人物でした」

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2.ルイ・ロデレール、感情を揺さぶる唯一無二のシャンパーニュ「クリスタル・ロゼ」とは

最高醸造責任者のジャン=バティスト・レカイヨン氏と、社長のフレデリック・ルゾー氏

ルイ・ロデレールの「クリスタル」が誕生したのは1876年。時のロシア皇帝(ツァー)アレクサンドル2世の要望からだった。一説にはバカラ製とされる無色透明のクリスタルガラス瓶にシャンパーニュを詰めたのは、常に暗殺の危機にさらされていたツァーが毒の混入を見破るため。なおかつビン底を真っ平らにしたのも、小型の爆弾が仕掛けられるのを防ぐためといわれている。

それからおよそ100年後の1974年に、初めてつくられたのが「クリスタル・ロゼ」だ。2024年は誕生から50周年を迎える節目の年にあたる。

「当時のロゼは、世間ではまだまともなシャンパーニュと思われていませんでした」と語るのは、ルイ・ロデレールの副社長で最高醸造責任者を務めるジャン=バティスト・レカイヨン氏。

「ブレンドでは赤ワインの渋味成分が白ワインと完全に融合しません。そこでタンニンまで素晴らしく熟すアイのピノ・ノワールと、エレガントでミネラリーなアヴィーズとメニル・シュール・オジェのシャルドネを、一緒に醸造する混醸という技術を用いました」

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3.ペリエ ジュエが挑む、シャルドネの美を極めたサステナブルなシャンパーニュとは

セヴリーヌ・フレルソン氏

「入社した日、メゾンの庭に立って感じたことは『ああ、ここは私の家だ』という安心感でした。花と植物に彩られたメゾンの佇まいは穏やかで、幸福感に満ちていました」

こう語るのは、ペリエ ジュエ第8代最高醸造責任者のセヴリーヌ・フレルソン氏だ。就任は2020年のことで、グラン・メゾンであるペリエ ジュエ初の女性セラーマスターの誕生は、当時業界で大きな話題となった。

ペリエ ジュエは1811年に創設されたメゾンで、初代のピエール・ニコラ・ペリエとローズ・アデル・ジュエの夫妻が自然とアートをこよなく愛したことから、その精神はメゾンの礎となっている。シャンパーニュはたおやかで優美なスタイル。シャルドネを美しく表現することから“シャルドネハウス”と称される。

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4.ジェームズ・ボンドが愛するシャンパーニュ、ボランジェのピノ・ノワール100%「PN VZ 19」

シリル・ドゥラリュ氏

“007”ことジェームズ・ボンドがこよなく愛するシャンパーニュ、それがボランジェだ。ピノ・ノワールを華やかに表現した芳醇で複雑な味わいは、知的で強く、粋な男によく似合う。このコラボレーションは、映画プロデューサーのアルバート・R・ブロッコリ氏とボランジェ・ファミリーの一員で社長職にあったクリスチャン・ビゾー氏との友情から始まったものだった。現在も紳士協定に基づき、このコラボレーションは続いている。

ボランジェは1829年、エペルネの北東に位置するアイ村に創業。ここは高品質なピノ・ノワールの産地の特級畑(グラン・クリュ)の村で、ボランジェは“ピノ・ノワールの名手”として知られる。現在も昔ながらの樽発酵を行うが、樽職人が常駐するなど、贅沢なつくりを守り続けている。

メゾンの6代目シリル・ドゥラリュ氏はこう語る。

「創業以来、私たちは家族経営であることを守っていますが、これこそがボランジェの強みです。メゾン内には樽の修理場があり、プレステージのキュヴェはルミュアージュ(瓶口に澱を集めるための動瓶作業)も手で行います。時間とお金がかかりますが、家族経営であれば、ただよいものをつくるためのリスクを背負うこともできる。すべての行程に時間をかけて最高級のものをつくることが、私たちの哲学なのです」

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5.飲むだけで話題に。シャンパーニュ「サロン」はなぜ、“幻”と呼ばれるのか?

ディディエ・ドゥポン氏

時に“幻”と評され、飲んだだけで話題になるシャンパーニュ。それがサロンだ。単一年、単一村、単一品種でつくられ10年熟成させて出荷する。それも“極めて”作柄のよい年にしかつくられず、1905年のファーストヴィンテージから現行の2013年ヴィンテージの間につくられたのは、わずか37ヴィンテージ。ちなみに市販された初めてのものは、1920年にメゾンが創設された時にリリースした1911年ヴィンテージだという。

サロンは、20世紀初頭、毛皮商として成功したウージェーヌ・エメ・サロン氏が、「友人や自分のための最高のシャンパーニュを」と、贅沢なプライベートキュヴェとして誕生させた。その美味しさは評判となり、当時、上流階級の社交場だったパリの「マキシム」のプライベートシャンパーニュとして使われたことから、瞬く間に多くの食通たちを魅了した。

このサロンの成功の秘密を、CEO兼最高醸造責任者のディディエ・ドゥポン氏はこう語る。

「ウージェーヌ・エメ・サロンは美意識が高くオリジナリティに溢れた人物でした。今までにない新しいものを想像すること、それも最高のものであること。そのために彼は豊かなミネラルと美しい酸味を持つコート・デ・ブラン地区メニル・シュール・オジェ村の畑を選んだ。偉大な畑、偉大なシャルドネ。これがサロンの“伝説”をつくったのです」

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TEXT=ゲーテ編集部

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