映画シリーズ8作品の累計動員数3,863万人、累計興行収入524.1億円を記録した『踊る大捜査線』シリーズの最新作が、2026年9月18日(金)から全国公開された。14年ぶりに青島俊作を演じる織田裕二が、58歳になった“あの男”と、作品にかける熱い想いを語った。

令和の時代、青島も若い人に気を使っている(笑)
モッズコートがトレードマークの“あの男”がスクリーンに帰ってきた。織田裕二演じる熱血刑事、青島俊作が奮闘する“踊る”シリーズ最新作『踊る大捜査線 N.E.W. メトロポリスを駆け抜けろ!』が、2026年9月18日(金)から全国公開された。
1997年1月に連続ドラマとして放映された『踊る大捜査線』には、故・いかりや長介が演じた和久平八郎や柳葉敏郎扮するエリート官僚、室井慎次をはじめ、個性的なキャラクターが多数登場。
警察組織の縦割り社会や警視庁と現場の対立などを織り込んだ“新しい刑事ドラマ”は、日本中を熱狂させ、これまでに映画8本が製作された。もっとも、織田が本格的に出演するのは、2012年公開の第4弾『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』以来、実に14年ぶりとなる。
「作品も青島俊作というキャラクターも大好きで、ライフワークにしたいと思っていたんですよ。でも、映画第4弾のタイトルに“THE FINAL”がついていたし、室井さんは(2024年公開の『室井慎次』2部作で)亡くなっちゃったのであきらめていたら、製作陣から『やります』と連絡があって。驚いたけど、嬉しかったですね。ずっと和久さんの年頃になった青島を演じてみたかったから」
連続ドラマ放映時、脱サラをして湾岸署刑事課に配属された新米刑事だった青島は、58歳になり、現在は警視庁刑事部捜査第一課に所属。しかし、都内で発生した誘拐事件で、犯人から身代金の運び屋を指名され、時に地下鉄、時に電動キックボードを使いながら東京都心を全速力で駆け抜ける――。
「いやぁ、大変でした。当時和久さんは『腰が痛ぇ』ってずっと腰をさすっていたのに、青島は全力疾走するの⁉って。スピードは落ちているし、息も絶え絶えでしたが、皆さんには、ジジイになった青島を楽しんでいただければ」
織田がそう語るとおり、青島の風貌や同僚たちの境遇はもちろん、捜査にAIを活用したり、「幸福支援部隊」なる警視庁内の福利厚生を促進する係が登場したりと、ドラマ初回放送から約30年という時の流れは、作品の随所に感じられる。
「青島がチームを組むことになった(趣里と白洲迅が演じる)若手刑事たちに『仕事楽しもうね』って優しく励ますんですけど、あれも時代ですよね。青島くん、若い人に気を使ってる(笑)」
もっとも、織田自身は“時の流れ”をことさら意識して演じたわけではない。
「僕は、年を重ねても変わらない部分はけっこうあると思っているんですよ。 その後は微妙な変化しかない。青島の熱い部分はもちろん、ちゃっかりしたところは、いくつになっても変わっていないんじゃないかと。
それで、監督にいくつか提案させてもらいました。移動に電動キックボードを使うとか、『仕事早いよね』なんて後輩をおだてて、自分が任された仕事を頼んじゃうとかね」

仕事は楽しんでやってこそ結果が出る
織田は、作品をもっと良いものにするための労力を惜しまない。今作に限ったことではないが、自身のセリフや演技だけでなくセットや衣装にまで思いを馳せ、アイデアを積極的に提案。監督や現場のスタッフと意見を熱く交わしてきた。
それは、デビュー間もない20代前半に、もがき、悩んだ時期があったからだ。
「どんな世界でもそうだと思いますが、経験未熟な若造に“やりたい仕事“はそうそう来ません。今思えば本当に失礼な話なんですけど、若くて血気盛んだったこともあって、いただいた仕事に対してけっこう不満を抱いていましたね。『つまんないホン(台本)だな』とか『今の若者はこんな服着ないよ』とか。
でも、そこで、『ちょっと待てよ』となったんです。台本に書いてあるとおりに受け止めて『つまらない』と思ったけど、このセリフの裏には実はこういう心情が隠されているんじゃないか、それを前提に演じれば、その後のセリフが違った意味合いになるんじゃないかって、キャリアがないなりに考え、監督に相談していましたね」

1967年神奈川県生まれ。1987年、映画『湘南爆走族』でデビューし、ドラマ『東京ラブストーリー』で大ブレイク。以降多数の作品に出演。主な出演作にドラマ『北方謙三 水滸伝』『ダブルエッジ~甦った男〜』など。
もちろん提案すべてがとおったわけではない。だが、時には織田のアイデアを監督が面白がり、採用されることもあった。
「僕はミーハーだから、評判がいい映画はほとんど観ていたんですよ。『大脱走』とか『小さな恋のメロディ』とか、SFなら『ブレードランナー』が大好きでね。提案したことが観客や視聴者に好意的に受け取られることが多かったのは、映画やドラマを観てくださる一般の方々と感覚が近かったからだと思います。
評判が良ければ、こっちも嬉しいし、もっと頑張ろうと、ますますやる気になる。それを続けるうちに、仕事がうまく回り始めたんですよ。仕事は楽しんだ者勝ち。イヤイヤやってもいい結果は出ませんよね」
そう言った後、「でも、楽しいのは1割、9割は苦しかったんですけどね」と、織田は笑う。
順風満帆な道を歩んできたように見える織田に、いったい何があったのか。後編では、当時の心境や仕事に対する姿勢について紐解く。
出演:織田裕二、趣里、白洲迅、増田貴久、佐々木蔵之介、佐藤二朗ほか
脚本:君塚良一
監督:本広克行
プロデュース:亀山千広
音楽:松本晃彦
2026年9月18日(金)より全国公開
警視庁捜査一課に着任した青島俊作を待っていたのは、身代金誘拐に3Dプリンター拳銃を使用した殺人、毒性ウイルスを街にまくという脅迫事件。新たな顔ぶれが加わった一方、歴代出演者が思わぬかたちで登場するなど、新旧のファンともに魅了されること請け合いだ。
衣装クレジット:スーツ¥314,600、タイ¥36,300(ともにラルデ ィーニ)、シャツ¥51,700(フラルボ/すべてト ヨダトレーディング プレスルーム TEL:03-5350- 5567)

