JO1豆原一成が、2025年10月24日公開の映画『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』で主演を務める。ステージではキレのあるダンスと眩い笑顔で観客を魅了する彼だが、スクリーンでは“光”を封じ、将来に悩む大学生をリアルに演じた。「所詮アイドルの芝居」と言われたくない——。そう語る豆原が、本作で挑んだ演技への覚悟と、JO1としての想いを明かす。

ステージの輝きを封印し、等身大の大学生を演じる
11人組のグローバルボーイズグループ・JO1のメンバーとして、豆原一成はステージではキレのあるダンスを披露し、眩いばかりの輝きを放つ。
しかし、将来に悩む大学生を演じた2025年10月公開の映画『富士山と、コーヒーと、しあわせの数式』のなかでは、その輝きは完全に封印されていた。スクリーンに映るのは、人生の目標を見いだせず焦りを感じる、どこにでもいる少し気弱な大学生だった。
「アーティストとしてステージに立つ時は、『自分を見てほしい』『自分をこう写してほしい』という気持ちが明確にあります。
でもお芝居ではそれがいっさいなくなるんです。この役の人物が、日常のなかに本当に存在していると考えれば、豆原一成を主張するのではなく、ただナチュラルに役として存在していたい。だからカッコつける必要もないと思っています」

2002年岡山県生まれ。オーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』から結成した11人組のグローバルボーイズグループJO1のメンバーとして2020年にデビュー。2025年2月にはJO1として初のワールドツアーを開催。俳優としても活躍し、映画『BADBOYS -THE MOVIE-』、日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』などに出演。
JO1との両立に見る「切り替え力」
アーティストと俳優、このふたつの仕事は完全に別物。常に切り離して考えているのだと言う。だからこそ映画の撮影とJO1の活動が重なる時は、切り替えが重要になる。
「普段はメンバーの顔を見ればすぐにアーティストのスイッチが入ります。メンバーとわちゃわちゃすることで、映画の撮影期間でもパッと切り替えられる。
でも、この作品の撮影期間のJO1でのパフォーマンスを今見ると、自分はなんだか自信なさげにも見えます。『役に引っ張られた』なんてカッコいいものじゃないですけど、あの時の自分を冷静に振り返ればそういう側面もあったのかもしれません」

市毛良枝とのW主演となる今作。大ベテランの胸を借りる気持ちで主演のプレッシャーを乗り切った。
「アーティストの時は11人のグループで活動しているので、役者として自分ひとりになるとすごく不安ですし、緊張します。映画としてもとても上質な作品で、共演者の方も大先輩ばかり。そのなかで自分がどこまでやれるのか、最初は不安もありました。
だけど市毛さんは、キャリアの浅い僕にも優しく丁寧に接してくださって、だからこそ、このベテランチームのなかで僕も見劣りしたくない、と全力を出せました」
役者としての仕事に魅力を感じながらも、根底にあるのはJO1というグループへの想いだ。
「僕が考えるJO1ってすごく尖っている。トゲトゲなんです(笑)。それぞれの個性が突き抜けていて、そのトゲを中和するのが自分の役割だと思っています。尖っているのはいいことだけど、それだけだと統率がとれないですから。
今回の映画は尖りとはかけ離れていて、とても穏やかに時間が流れていく作品。もしかしたらJO1を知らない人が観てくれるかもしれない。その方たちがJO1という存在に気がついてくれたらやっぱり嬉しいし、そのためにやっているんですよね」

そう語ったあとに、豆原はひと息ついてこう力強く言った。
「だけど『所詮、アイドルの芝居』なんて絶対言われたくなかった。だから自分のなかでできうる最大限の役づくりを、今作でもしました」
豆原がソロ活動においてもプロフェッショナルでいることで、グループもまた磨かれていく。スクリーンに映る「JO1の豆原一成」とはかけ離れた不安げな青年の目に、役者として、そしてアーティストとしてのプロ魂を見ることができた。
衣装クレジット:ジャケット ¥418,000、タンクトップ<参考商品>、デニム¥136,400、ブーツ¥266,200 (すべてディースクエアード/スタッフ インターナショナル ジャパン クライアントサービス TEL:0120-106-067) その他はスタイリスト私物








