ゴルフは時にビジネスに通ずる大切なことを教えてくれ、人生の幅をも広げてくれるもの。他のスポーツでは決して味わえない奥深い魅力や醍醐味を、ゴルフ好きな業界人に教えてもらった。今回は、俳優の茅島みずき氏に話を聞いた。【特集 GOLF:MORE THAN A GAME】

努力は裏切らない。そう私に教えてくれた
20歳にしてゴルフ歴12年、ベストスコアは70。かつてプロゴルファーを目指していたというのは、俳優の茅島みずき氏。兄がゴルフスクールに通い始めたことをきっかけに8歳からゴルフを始め、その魅力にとりつかれた。
「ゴルフを始めてすぐ出た大会で、スコアはハーフ102。圧倒的最下位でした。それが悔しくて絶対上手くなってやる! と熱中していったんです」
学校終わりは、ジュニアが無料で回れるコースに直行、日が暮れればパターの練習、そこから打ちっぱなしに行き、さらに家ではスイングフォームの確認を、という毎日を4年間続けた。
「努力は必ず報われるってゴルフをしている当時は思っていました。でもどんなに頑張っても勝てない強いライバルもたくさんいて、だからこそ余計に燃えて(笑)。とにかく、ゴルフがその頃の私のすべてでした」
小学校6年生で70というスコアを叩きだし、全国大会の長崎予選で首位通過、全国大会優勝は間違いないと思われていた茅島氏だったが、プレッシャーを感じた本番、思うようなスコアが出せなかった。周囲から期待された分だけ、自身への失望も大きく燃え尽きた。
「一生ゴルフは辞めたくない。だから、今はいったん休憩しよう、そう思ったんです」
その頃行われていた芸能事務所のオーディションに気分転換にと参加。新たな道が拓けた。

俳優。2004年長崎県生まれ。2017年にオーディションを勝ち抜きデビュー。ドラマ『おかえりモネ』、『【推しの子】』などに出演。主演ドラマ『霧尾ファンクラブ』が2025年4月2日から放送。このドラマの主題歌「ローファー。」でアーティストデビューを果たす。
「この世界に入ってみて、ゴルフの経験がすごく活きることに驚いたんです。私が通っていたゴルフスクールの先生は、『紳士のスポーツだから』と礼儀を丁寧に教えてくれました。プレイ前は必ず帽子を取ってコースに向かって挨拶をすること、受付の人には必ず『よろしくお願いします』と大きな声で言うこと。礼儀が身についたことで、13歳で芸能界に入っても戸惑わず挨拶し、コミュニケーションをとることができたんだと思います」
さらに撮影やオーディションでもプレッシャーを感じることなく挑めているのだという。
「もちろん緊張はしますけれど、でも試合前のプレッシャーを経験しているから、『あの時よりは頑張れる!』って自分を励ませるんですよ」
一生ゴルフを辞めたくない。そう思った12歳の頃。現在はプロという道ではなく、一生楽しめる趣味、生きがいとしてゴルフと向き合っている。
「実家のある長崎に帰れば兄と一緒にコースを回っていますし、仕事が忙しい時でも時間を見つけて打ちっぱなしに行って気分転換しています。今はあの頃よりもゴルフを楽しめているかな」
ベストスコア更新を目指すゲーテ読者のために、お薦めの練習法を聞くと、茅島さんは少し考えてからこう教えてくれた。
「練習場に行った際はぜひ、『10回連続で入るまで帰れないチャレンジ』を。延々やることになりますが、しっかり身につきます。ちなみに今も、『この長台詞10回連続早口で言えるまで終われないチャレンジ』をしているので、私独自の練習法なのかも(笑)」
ひたすら努力をし積み上げる。ゴルフで培ったその習慣を、茅島氏は俳優という仕事と人生に活かしている。
ゴルフ歴|12年
ベストスコア|70
始めたきっかけ|兄と一緒にゴルフスクールに通い始めたことがきっかけ。
年間ラウンド数|4〜5回
好きなコース|長崎県・喜々津カントリー倶楽部
得意なクラブ|パター
この記事はGOETHE 2025年5月号「総力特集|GOLF:MORE THAN A GAME 単なるゲームを超えるゴルフ、60通りの誘惑」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら