MAGAZINE &
SALON MEMBERMAGAZINE &
SALON MEMBER
仕事が楽しければ
人生も愉しい

PERSON

2023.09.09

J2町田・黒田剛、53歳「新人監督」の"勝つ"ではなく、"負けない"戦略【まとめ】

高校サッカーひと筋だった53歳の「新人監督」の挑戦はマジックの名にふさわしい結果を生み出している。前回、多方面から大好評を得た黒田剛監督インタビューの第2弾をまとめてお届け! ※2023年7月掲載記事を再編

黒田剛監督まとめ

1. J2首位独走の秘密! 町田・黒田剛監督「“負ける”想定からつくる“負けない組織”のつくり方」

――試合で負けた時のチームマネジメントについて教えてください。

黒田 開幕前のキャンプからずっと言い続けているのですが、勝ち続けるというのは無理で負けることも引き分けることも必ずあります。しかも何度もあります。その中で意識すべきことは、できるだけ連敗はしないことです。負けた原因や引き分けた原因をチーム全体でしっかり共有でき、繰り返し同じ失敗が起こらないよう徹底して詰める必要があります。そのためのベース作り(チームコンセプト)を1月のキャンプから細部に渡って浸透させています。

私はチームで共有しなければならない「コンセプト」や「チームの進むべき道」について選手の意識に深く浸透させるためにキャンプを通じて徹底して伝えてきました。そして、負けた時にはこのコンセプト(ベース)という原点に立ち返って、出来ていなかったことや失点の原因を洗い出します。すぐにベースに立ち返り、早期改善することができれば、再びチームとして同じ方向に歩いていけるのです。原理原則を含めたベースとなる部分をチームで何度も繰り返し共有していくことが重要なのです。大切なのは根拠を持って具体的に前進させていくということ。「成功の要因」も「失敗の原因」もすぐにチームとして明確に理解し合えることなんです。これは会社組織などでも同じようなことではないでしょうか。

大事なことは、勝った時にポジティブなアプローチでチームづくりをするのではなく、試合中に生じたあらゆる失敗因子や不安因子を抽出し、僅かでも負ける可能性のあった現象について、その原因を徹底追求していくことです。試合で幾度となく起こる失敗こそが「負けるチームの悪い習慣」であり、それをチーム全体で明確にしていくことで、同じ失敗を繰り返さないという「危機感溢れるチーム状態」に導いていくことが重要です。これこそが「負けない組織」の作り方の本質だと思っています。

今のゼルビアも、そんな「負ける」という危機感をいつもイメージできているからこそ連敗を逃れ、選手達もやるべきことを常に理解、徹底してくれているのだと思います。試合の失点に繋がってしまったあらゆる原因を自覚させ、全体で共有し改善に繋げています。選手自身にそのプレーの意図を皆んなの前で説明してもらうことも素晴らしい効果を生みます。

【続きはこちら】
 

2. 【J2町田・黒田剛監督】布啓一郎、岡田武史から学んだ「組織が次のステージに上がるために必要なこと」

――高校サッカーの監督として多くの結果を出した黒田監督、勝つために必要なことが分かったきっかけはありましたか。

黒田 サッカーは勝負の世界ですから、勝つためにただ単に何か一つをやったから勝てるということではありません。青森山田高校で監督に就任してから約28年。もちろん結果が出ていない時期もありました。当時の私は「なぜ勝てないのか?」「全国優勝したチームと何が違うのか?」を考える一つの術として、全国行脚したことがあります。

名将と呼ばれる方々が拘っていたことはそれぞれ異なっていたため、勝つためには「これが正しい方法だ」「これをやったら勝てる」なんてものは一つもありませんでしたが、それよりも彼らがそれぞれのやり方を、自分の信念を貫き、とことん突き詰めていったことのほうが印象的でした。

――そのなかでも印象に残っている指導者は?

黒田 一人は市立船橋高校を率いて後にJクラブの監督となった布啓一郎さんです。そのサッカーは「堅守速攻」で有名で、誰が見てもボールを奪ってからのカウンター攻撃が非常に速く、その勢いや精度、スピードは他のどのチームよりも脅威的な印象がありました。

しかし、実はまったく逆の発想で、カウンターを受けないことに重点を置いて意識付けされていて、あのスタイルになったのだと聞きました。つまり、相手のカウンターを受けないことを徹底するために、相手にロングフィードをさせず、ハイプレスをかけ続けたゆえに、自分たちのショートカウンターに繋がっていたのだと。周りはハードな守備からショートカウンターにつながる部分だけを見ていたので「堅守速攻」という印象を持ったのですが、実はチームの狙いはその逆だったのです。これは目から鱗でした。

【続きはこちら】
 

3. J2町田快進撃の理由! チームの明暗を分ける「良いベテラン」「悪いベテラン」【黒田剛監督インタビュー】

――ベテラン選手との接し方について教えてください。

黒田 ベテラン選手はただ歳をとっているのではなく、さまざまな経験を経て、酸いも甘いも知りながらチームに貢献し続けていますから、しっかりリスペクトして接することはとても大切なことです。

まず、若者の前でベテランの価値を認めることはとても重要なことです。チーム全員にベテランがいることの有効性やアドバンテージを伝え、チームのためにどれくらい彼らが大事な存在なのかを示すことによって、ベテランの持つパワーが若者をコントロールするパワーとして大きく作用するようになります。

監督から信頼され、貴重な存在として対応してもらえたら、彼らは後輩に対して雑なコントロールはしませんし、より良い先輩でいるはずです。ですから、ベテランも若手も同じチームメイトであれ、リスペクトの無い関係性というのは良くないし、チーム内秩序を有効に保つために必要な距離感だと思っています。

ただし、長年やってきたからといって、イコール経験値を積んできた人ばかりではありません。成功と失敗を経験しデータとして持っていたり、チームのために誰よりも尽力できる人が真のベテランと言えます。スキルのみや惰性でやり過ごしてきた人、わがままに立ち振る舞ってきた人は有効な経験値を持っていません。また他人に気を使わせたり、横柄な態度が目立つ人もベテラン選手としては存在価値を生みません。ですから、若手に対して正しいアドバイスや指導ができ、信頼され、周囲から担がれるほどの人格を持った人がコーチングスタッフにとってもありがたい存在になります。

【続きはこちら】
 

TEXT=上野直彦

PHOTOGRAPH=杉田裕一

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

4月号 Now on sale

【ゲーテ4月号】特集は価値観を覆す過激なエクストリーム旅。表紙にはプロスケーター・高橋大輔が登場

表紙

最新号を見る

定期購読はこちら

MAGAZINE 最新号

4月号 Now on sale

【ゲーテ4月号】特集は価値観を覆す過激なエクストリーム旅。表紙にはプロスケーター・高橋大輔が登場

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ4月号』が2月24日に発売となる。簡単には経験できない、人生を変える過激な旅を総力取材。さらに旅のエキスパートたちの相棒アイテムも紹介。プロスケーター高橋大輔の貴重な撮り下ろしカットを多数掲載収録。

最新号を購入する

電子版も発売中!

定期購読はこちら

SALON MEMBER ゲーテサロン

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

SALON MEMBERになる