ChatGPTという言葉は知りつつも距離を置く人が大多数を占める今。そこから一歩踏み出すか否かが、5年後の命運を分ける! 医師、政治家、AI専門家といった先駆者たちのリアルかつ具体的な活用術に、堀江貴文氏が迫る短期集中連載。第4回はビジネスインフルエンサー田端信太郎のリアル活用術について。発売前からAmazon1位を記録するなど話題沸騰の『堀江貴文のChatGPT大全』からお届け。#1/#2/#3
ChatGPTは絶対に嫌な顔をしない「他者」
ChatGPTはバリバリ仕事で使っているという感じではないんだけど、ちょっと触っているという感じですかね。
固有名詞について聞いてもダメだけど、それよりも哲学的な話とか答えが決まっていなくてあーだこーだみんなが議論するような話の方が向いている。例えば、「教師の夏の賞与を、担当生徒のテストの点数の上昇に連動させるべきか否か」といった問題とか。
僕は反射的に「上げていいだろ!」と思ってしまうんだけど、反対意見を持つ人も存在することは自明で、そういう時に反対側の意見を自分で知るっていう壁打ちにはすごくいい。ビジネスシーンでも、客先に行く前に想定される反論をChatGPTに提示してもらって、それに対して自分の意見をさらに織り交ぜて壁打ちとか。
こういうのも延々と嫌がらずにずっと付き合ってくれるじゃない。たぶんね、ChatGPTが最高なのはそこなのよ。絶対嫌な顔しないからこの人(ChatGPT)たちは(笑)。
いまどき「マジレス」は貴重よ
以前田端大学の入学時面談で、起業して自分のクラフトビールを作っている20代の女性が来たんですね。僕、その時に第一印象で微妙だなと思ったんです。だから、クラフトビールは全然いいんだけれども、値付けとかポジショニングとかがなんかすっごく微妙だと思いますよ、みたいなことを伝えたら、「そんなこと言っていただいたの初めてです」みたいに言われてね。
今まで誰もマジレスしてくれなかったのかなって。今って、上司ですらすぐパワハラだ何だって言われちゃうからあんまりこう、マジレスとか反対とかの意見を真剣に言わないんですよね。マジレスする側からしたら否定して逆恨みされるかもしれないしめんどくさいじゃないですか、否定するのも。だからマジレスとか反対意見をもらえる機会がものすごく貴重になっているんですよね、今。だけど、ChatGPT は世の中の8割9割ぐらいのいい意見でちゃんと反対をしてくれる。
いまどきマジレスは貴重よ。
対案も漫才もなんでも
ビジネスで最後の決断をする部分はもちろん自分でやらなきゃいけないんだけど、対案を出してもらって論点の抜け漏れチェックをするには、ChatGPTは最高じゃないかと。上司に「お前これについては考えたのか?」とか突っ込まれた時に、「しまった! その発想があったのか……ぐぬぬ」みたいになると、ビジネスパーソンとしてイケてないじゃないですか。
そういう他者目線で、自分のバイアスがかかっていない対案を出してくれるのは、ビジネスで実際にめちゃくちゃ使えるChatGPTの活用法なんじゃないかなと。
あとは、少しお笑いをやってみたりとかしていて。自分だけでは漫才はできず、さっき言った通りの他者が必要で。ずっとボケを振っても続けてくれるところがいいんですよね。生身の人間に「これ面白いでしょ」って話を振り続けると嫌な顔をされてしまうけれど、ChatGPTはずっと返信をつけてくれるから。
※次回はフリーアナウンサーが実践するChatGPT活用術3選(8月9日公開予定)
田端信太郎/Shintaro Tabata
ビジネスインフルエンサー。Twitterブートキャンプ エグゼクティブ・プロデューサー。元ZOZO執行役員。1975年10月生まれ。新卒でNTTデータに入社後、リクルート、ライブドア、NHN Japan(現LINE)執行役員、スタートトゥデイ(現ZOZO)を経て2019年12月に退職し、現在はオンラインサロン「田端大学」塾長としてビジネスインフルエンサーの育成や、複数のスタートアップを個人投資家や顧問の立場で支援している。
▶︎堀江貴文氏ら先駆者たちの活用術をもっと知りたい方はコチラ