移動時間を旅の悦びに昇華してくれる、豪華客船の旅。食、エンタメ、人との出会い……その楽しみ方は無限大。経験豊富なエキスパートたちの記憶に残る旅を参考に、次なる冒険に心躍らせたい。今回は、ライター・大石智子氏のMy Best列車旅をご紹介。【特集 クルーズ&列車の旅】

山を縫って走る鉄道は、雄大な天然のアトラクション
「ノルウェーのミュルダルからフロムを結ぶ『フロム鉄道』が走る距離は約20km、高低差はなんと865m。急勾配の山道を進み、その間に20ものトンネルが配されています。車窓からの景色の贅沢さは唯一無二のもの。トンネルを出るごとに異なる景色が目に飛びこみ、山間を縫って敷かれた路線は大きなカーブの連続で、その体験はまるで天然のアトラクション。
乗車したのは4月でしたが、標高によって雪景色になったり緑地になったり、自分のなかの季節感がバグる感覚に(笑)。終着駅のフロムはフィヨルドの絶景が楽しめるエリアで、素朴な村の風景が印象的でした。
将来乗ってみたいと目論んでいるのは南アフリカのロボスレイル。ヴィクトリア様式の内装と英国仕込みのおもてなし、車窓からの景色に惹かれます」


大石智子
ライター。出版社勤務後フリーランスに。男性誌を中心にホテル、旅、インタビュー記事を執筆。年10回ほど海外に渡航し、主にホテルをリサーチ。行く頻度が高い国はスペインで南米も好き。次回はイタリアのドロミテやポルトガルのドウロ渓谷に渡航予定。
この記事はGOETHE 2025年7月号「総力特集:豪華クルーズ船&列車の旅」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら