TRAVEL

2024.11.13

秋の箱根に抱かれる週末旅に、スモールラグジュアリーな温泉宿「はつはな」が最適な理由

冷んやりとした空気を感じることが多くなる秋は、身体を芯から温める“温泉”が恋しくなる季節でもある。1泊2日のショートトリップに最適な温泉宿を、箱根で見つけた。

箱根に抱かれるスモールラグジュアリーな温泉宿「はつはな」
「はつはな」ロビーフロアにある展望テラス。

全室温泉露天風呂付き。眼前に広がる、秋めく湯坂山

箱根湯本駅からクルマで10分ほどの奥湯本にある、スモールラグジュアリーホテル「はつはな」。ロビーフロアには、色づきはじめた湯坂山を借景とした展望テラスが広がり、この宿が、一棟まるごと箱根の緑に抱かれた場所であることがわかる。

「はつはな」は開業から30年を経て、2022年に大規模リニューアルオープン。これまで以上に、訪れるゲストの心が満たされる滞在を届けたいという想いから、全室温泉露天風呂付きのゆとりある客室設計に生まれ変わったという。

ロビーフロアにあるラウンジでウェルカムドリンクをいただき喉を潤したのち、早速、本丸である客室へ向かった。

箱根に抱かれるスモールラグジュアリーな温泉宿「はつはな」
ラウンジには、充実のウェルカムドリンクコーナーが。生ビールも飲める。

今回滞在したのは、ラグジュアリータイプの部屋「煌(きらめき)」。ラウンジと同じフロアにある客室棟6階はラグジュアリー専用となっており、そのすべてが67.5㎡以上と広々とした空間である。「煌(きらめき)」は、シックで落ち着きのあるインテリアで、傾斜した高い天井が圧巻だ。ベッドに腰をかけると、その先にある湯坂山の緑と露天風呂がまるで額縁に入れた絵画のように見える。

シャンパーニュ(ハーフボトル)、はつはなオリジナルのクラフトビール、バルミューダのコーヒーマシーン、茶草場農法の掛川茶など、フリーで楽しめる飲料が充実しているのは、嬉しいポイントだ。

客室の温泉露天風呂も十分な広さがあり、部屋によっては、大人3名でも余裕で入れるサイズもあるという。秋めく緑と近くを流れる須雲川のせせらぎを聞いて湯につかれば、もうこの部屋だけで十分リラックスできるのだが、そうも言っていられない。

というのも、「はつはな」を訪れたなら楽しんでおきたいのが貸切風呂。大自然と一体化したような露天風呂の「川音(かわと)の湯」、上階まで吹き抜けの「静寂(しじま)の湯」、インフィニティ感があり車椅子利用もできる「水面(みなも)の湯」、床面に仕込まれた光ファイバーが幻想的な「明灯(あかり)の湯」と、それぞれ趣向が異なり、あの湯もこの湯と入りたくなってしまうのだ。

ちなみに、貸切風呂や大浴場がある温泉棟は、スロープカーを利用して上下階の移動ができる。子供連れ旅なら、盛り上がるポイントのひとつだろう。

自室で足つぼマッサージを受け、極上の夕食タイムへ

湯からあがったら、夕食までのひと時は「おこもり湯治プラン」をおすすめしたい。

施設内のリラクゼーションサロン「まほろみ」からセラピストが訪れ、自室で足つぼ療法を中心としたマッサージをしてくれるのだ。温泉をたっぶり浴びた身体をほぐすことで、より深く温泉の効果をめぐらせ、心身ともに、一夜で湯治を終えたかのようなスッキリ感を体感できる。コースは2種あり、おこもり湯治フットゾーン(40分)は¥14,000、おこもり湯治ボディゾーン(60分)は¥19,000。

移動の手間がないので足が不自由なご年配の方はもちろん、小さな子供を連れた夫婦も受けやすいのは大きなメリットだ。

箱根に抱かれるスモールラグジュアリーな温泉宿「はつはな」
「まほろみ」へ直接訪れてのマッサージももちろんOK。ペアルームもあり。

お楽しみの夕食は、洋の要素も取り入れたモダン懐石。ムール貝のラビゴットソース、松茸椀、鮮魚5種盛り、山口県産マトウダイのムニエルなど、季節の食材を目や舌で多様に楽しませてくれる。

ハイライトは、神奈川県のブランド牛「相州牛」をつかった炭火焼きステーキと、小田原米「はるみ」の新米を使った一人釜炊きのごはん。相州牛ステーキは上質な脂身と肉のうまみが凝縮された極上の味わい。目の前で炊かれる白米と合わせて食べたくなるが、炊き上がる前に思わず平らげてしまう。そして炊き上がった一人釜炊きの白米はツヤツヤで、米のひと粒ひと粒が立っている。こちらも、まぐろハラボの治部煮や赤出汁といった“ごはんのお供”とともに、胃袋へすんなり収まってしまうおいしさだ。

ワインリストも充実しているので、ワイン好きには選ぶ楽しみもあるだろう。サロン、ボランジェ、クリュッグといったシャンパーニュからエティエンヌ ソゼ、クロドタールといったブルゴーニュ、国産ワインまで、銘酒が揃っている。

箱根に抱かれるスモールラグジュアリーな温泉宿「はつはな」
朝食は和と洋から選べ、和朝食は寄木細工のふたがついた重箱に焼き魚やおひたし、鮪の剥き身、温物として豆腐が供される。ダイニング「はなゑみ」からもの景色も絶景。

「はつなは」のゲストたちは、箱根観光することなく、すぐに宿入りすることが多いのだというが、それも納得だ。

自然を楽しみ、湯を楽しみ、食を楽しみ、心身をときほぐす。そのひとつひとつに「はつはな」でしか得られない特別感がある。1泊2日という長くはない週末の滞在だからこそ、1分もらさず上質な時間で満たしたいという想いを叶えてくれるのが、この「はつはな」なのだ。

はつはな
住所:神奈川県足柄下郡箱根町須雲川20-1
TEL:0460-85-7321(受付時間10:00~19:00)
URL:https://www.hakone-hotelhatsuhana.jp/
客室数:35室
料金:ラグジュアリータイプ ¥82,150〜(2名1室利用時の1人当たりの料金。夕朝食付き)

TEXT=岡村彩加(ゲーテ編集部)

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