ゲーテ読者に薦めたいとっておきの1冊をピックアップ! 今回は、西原亮の『コンサル時代に教わった仕事ができる上司の当たり前』をご紹介。

西原亮 著 ダイヤモンド社 ¥1,870
仕事ができる上司が身につけている、誰もが当たり前にできる仕事のコツ
現代人は、サンプルばかり集めシンプルになれない。ネットのハウツー記事を読み漁り、「できる人」になった気分になるが、あれこれ詰めこんだ結果、シンプルに行動できない人が増えている。本書は、社会に溢れるハウツーを一旦横に置き、上司として「やってはいけないこと」を避け「やるべきこと」を押さえる。つまり「当たり前のこと」一点を拡大し、身につけていくことの有用性を説いた、実にシンプルなガイドブックである。
著者は大手経営コンサル会社で腕を磨き、亡父の家業を継いだ牛乳配達会社の社長。経営支援をしながら外側から見つめた上司像と、会社経営という内側で苦戦した上司の在り方。高い客観スキルと生きた教訓に満ちたメソッドはどれも当然のことだが忘れがちなものばかり。シリーズ累計17万部というのもうなずける内容になっている。
また、著者の語り口が一貫してシンプルな点も私は好きだった。おそらくSNSを通じてビジネススキルを発信してきた人物だからこそ、無駄な言葉を省いたセンテンスが可能になったのだろう。当たり前のことを当たり前に書き並べた本だからこそ再現性は高くなる。これもシンプルな魅力である。
桝本壮志/Soushi Masumoto
1975年広島県生まれ。放送作家として数々の人気番組を担当。NSCの講師も務め、令和ロマンなど教え子をM-1に輩出。著書に『時間と自信を奪う人とは距離を置く』がある。

