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2024.02.05

英語“Elephant in the room”の意味は「部屋にいる象」ではなく、サラリーマンあるあるの状況だった!

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第234回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは

英語力ゼロレッスン 第234回
Illustration=Norio

象が部屋にいたら、どう思う?

先日、英語ペラペラの韓国人の友人とオンラインで話していました。その彼女は、数日前に久しぶりに従兄弟数人と集まったということ、そしてその時の様子をちょっと怪訝な顔でこう言っていました。

The fact that 38-year-old guy is still living with his parents is a big elephant in the room at every family gathering.

「38歳の男がまだ両親と住んでいるという事実は、家族が集まるたびに大きい象が部屋にいる」

彼女が言ったことを直訳するとこうなってしまいます。とりあえず38歳で両親と同居している従兄弟がいるのはわかりましたが、「大きい象が部屋にいる」のところが意味不明です。従兄弟はソウルに住んでいるということ、ソウルの一般家庭で象を飼う、なんてことは不可能なはずです。

意味を尋ねてみたらこういうことでした。

An elephant in the room=誰が見ても明らかに問題があるのに、誰もそれを口にしない

という意味の慣用句だそうです。部屋に象がいたら明らかに誰でも気がつきますが、それを無視して会話を続ける、というシチュエーションでしょうか。

話し合うのが面倒くさいとか、気まずい、という場合に使われるフレーズみたいです。

私の前では「あの男はいい歳なのに、まだ親のスネをかじっている」と、彼女はその38歳の従兄弟のことを糾弾していましたが、本人やその家族の前では気まずくて言えないそうで、結局親戚一同が集まった時は、なんとなくその話題を避けてしまう、ということみたいです。

ご両親が高齢で、その従兄弟が面倒を見ているとか、そういうこともあるでしょう。家族がよければ、何歳だって両親と同居することはまったく問題ないことだと思います。けれど彼女は「問題を見てみぬフリをする」という意味のa big elephant in the roomを使っているので、この家族にとっては大問題のようです。相当な額、スネをかじっているのでしょうか。

ちなみにAn elephant in the living roomといういい方もあるようで、居間にいる大きな象が、家族みんなから無視されている様子が頭に浮かんで、なんだかかわいそうにも思えました。

An elephant in the roomが使えるシチュエーション

会社では「足りない予算をどう補填するか」といって、会議は開くのに、会社の経費になっている上司の会食費や接待ゴルフ代金についてはいっさい触れることがなかったりします。「人事大改革だ」と言って、右の部署の人と左の部署の人を入れ替える、ということも多いですが、「そこを入れ替えたとて、そんなに変わらないよな」と思っていても誰も言えなかったりします。多分、これがAn elephant in the roomなのでしょう。

この状況、正直日本語でもうまく説明できる言葉を知らなかったので、いい表現を教えてもらってありがたい気がしました。

連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。

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連載
英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」

英語力ゼロのまま渡英、行けばなんとかなると思いつつなんともならなかった2年間のイギリス生活。帰国後はせっかく覚えたいくつかの英単語も忘れ去り、それでも時々は英語と格闘してみる現在、40歳。いつかはうまくなりたいから、恥を忍んで今日もブロークンイングリッシュ。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。

TEXT=MOMOKO YASUI

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