35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第225回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは
イギリスのスラングが示す、ある日用品とは
最近、これまで使ってきた寝巻きがしっくりこなくなってきました。
あまり着なくなった普段着を寝巻きに下ろすスタイルを長年とってきたのですが、そもそもその服は寝るために作られているわけではないので、なんだか重く、そして締め付けを感じるようになりました。単に、体力がなくなってきたのと、太ってきたのが理由だと思われます。
そんな話を日本語ペラペラのイギリス人にしたら、こう言われました。
Go to jimjams store.
「Jimjamsストアに行け」、そう言っています。ジムジャムズの店ってなんでしょうか。ジャムのこと?
こっそり英和辞書をひいてみたら、「ひどい神経過敏」と出てきました。ひどい神経過敏の店、とはなんなのでしょうか。もう全然意味がわかりません。
「ああ、ごめん。jimjamsってpajamasのことだよ」
そのイギリス人はそう言いました。けれどpajamasのところがネイティブなのでめちゃくちゃ発音がよく「ピジャーマス」と聞こえて、これもまた意味がわかりませんでした。
Jimjams=パジャマ
「パジャマ」とカタカナ発音に言い換えてもらって、やっと意味がわかりました。
「ジムジャムズ」とは、たしかに「ひどい神経過敏」という意味の言葉ですが、その意味とは別に、イギリスのスラングで「パジャマ」を示すそうです。同じ単語で意味の振れ幅が大き過ぎるような気がします。
調べてみれば語源は定かではないものの、子供達の言葉から来ているのではないかということ。パジャマの「ジャマ」の部分が「ジャム」になったということでしょうか。
スラングですが、ちゃんとケンブリッジの辞書に載っていて、例文はこのようになっていました。
By six p.m. I was already in my jimjams.(18時で、私はすでにパジャマだった)
イギリスには「Jimjams」というチョコレートジャムが!
ちなみに、最初、私はJimjamsをジャムかと思いましたが、これはあながち間違ってもおらず、イギリスのスーパーでは「Jimjams」というチョコレートジャムが売っています。
イギリスでは毎年2月後半から3月前半にかけて「パンケーキの日」があり、その日に近くなるとDon’t forget the Jimjams for pancake day.(パンケーキの日に、ジムジャムを忘れないで)とCMが流れるみたいです。パンケーキにチョコレートジャム、絶対美味しいですが、ますます寝巻きのウエストがきつくなる気がします。
そのイギリス人に言われたとおり、「jimjams store」に行くべく、最寄りのジェラートピケを覗きましたが、可愛らし過ぎて手を出せず、結局スーパーの衣料品売り場で叩き売られていたパジャマを買いました。軽くてふわふわなJimjams、とっても寝やすいです。
連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。