35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第182回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
「みなまで言うな」の英語を知りました!
イギリスで知り合った韓国人の友人は、現在韓国で子供たちに英語を教える仕事をしています。子供が英語に慣れるために、レッスン中は一切韓国語を話してはいけないということ。しかしハイレベルな英語を目指す彼女は不満そうでした。
「仕事で英語を使うとはいっても、まだ韓国語も完璧じゃない子供相手だからね。静かにしなさい!とか、ご飯食べた?とかそんなものだよ」
と、私に対してもわかりやすい子供向けの英語で教えてくれました。
それでも向上心のある彼女は、“静かにしなさい”の言葉、ひとつとってもたくさんの言い方があることに気が付きリストをまとめています。
「“Be quiet”とか“Keep quiet” “Keep calm”くらいしか思い浮かばないな」と言う私にいくつか教えてくれましたのでシェアさせてください。
Pipe down
「パイプを下げろ」で「静かにしなさい」になるのだそうです。これは16世紀後半の船乗りたちが、それぞれの持ち場にいながら仲間と会話をする際に、船中にはりめぐらされたパイプを使って声を届けていた時代に生まれたフレーズだそうです。『天空の城ラピュタ』で飛行船に乗った主人公たちがパイプに向かって話しかけていたシーンを見たことがあると思いますが、ああいう感じでしょう。「Pipe down」と言えば、「もう寝る時間だからパイプを降ろして静かにしろ」という意味だったそうです。そこからPipe down=静かにしなさい、という意味で現代も使われているそうです。
Put a sock in it
Sockって何かと思ったら「ソックス」の単数系だそうです。普通ソックスはペア、つまり複数系で使うのが当たり前ですが、この場合は「片方の靴下をつっこむ」となり、「靴下の片方を口にいれておけ!」というような意味になります。「黙れ!」という強い言い方でしょうか。昔の蓄音機には音量調節の機能がなく、音を小さくしたい時、またはハイトーンの音を下げたい時にホーンの中に靴下の片方を入れていたことからきているそうです。
Say no more
これに関しては「静かにして」というよりは「これ以上は言わないで」ということになります。大人同士だと「…みなまで言うな…」みたいな意味深なニュアンスの表現ができます。ケンブリッジの英英辞典ではこのような例文がありました。
"I saw him coming out of her flat."
"Say no more!"
「彼が彼女のアパートから出てくるのを見ちゃった」
「それ以上は言わないで!」
「もうわかっているから、それ以上は言わないで」という時に、大人が言うみたいです。蛇足ですが私は大好きなアイドルが、女性のアパートから出てくるところを週刊誌に激写された時なんか「もういい、それ以上は知りたくない!」と後追い報道を見ないように過ごしたりしています。
子供相手にこのフレーズを使う場合は、一人だけ正解がわかった生徒が正解を叫んでしまうような時に"Say no more!"と言って静かにさせるそうです。
他にも“Zip your mouth(お口チャック)”、“Button your lip(唇にぼたんかけて)”、“Keep your lips sealed(上下の唇にシール貼っておいて)”などイメージしやすい言い方もありました。子供たち相手でなくても、さらっと言えたらカッコいいかもしれません。
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連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。