GOLF

2026.11.05

風の強い日に、ボールを低く抑え、方向性を重視する「ライン出しショット」の打ち方

PGAツアー出場100試合目にして待望の初優勝を飾ったオースティン・スマザーマンが、続く101戦目の「バターフィールド・バミューダ選手権」でも勝利を掴み、電撃の2連勝を達成した。幾度もの挫折を乗り越えて32歳で開花した遅咲きの実力派は、いかにして強風吹き荒れる難コンディションを制したのか。親友デシャンボーとの絆やギア改善の背景を紐解くとともに、アマチュアが風の日のラウンドで即実践できる「ライン出しショット」の神髄を動画レッスンとともに解説する。吉田洋一郎コーチによる最新ゴルフレッスン番外編。

吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン番外編/PGAツアー100戦目の初優勝から電撃2連勝! 32歳スマザーマンの覚醒と、強風を制す「ライン出し」の極意

「101戦目の奇跡」32歳で開花したスマザーマンに学ぶ、強風ショット

PGAツアーのフェデックスカップ・フォール第4戦となったバミューダ選手権は、強風のため最終ラウンドが中止となり、54ホール終了時点で首位に並んでいたシェイマス・パワーとのプレーオフに突入した。

翌月曜日に行われたプレーオフの3ホール目で、パワーがボギーを叩いたのに対し、パーを記録したオースティン・スマザーマンが勝利。強風の難しいコンディションのなかでも冷静な判断を貫き、2試合連続の優勝を成し遂げた。

ほぼ無名の存在からフォールシリーズの主役へと躍り出たスマザーマン。

その経歴をさかのぼると、全米オープン2勝を誇るブライソン・デシャンボーとの深い縁が見えてくる。2011年のカリフォルニア州ジュニアアマチュアでは、スマザーマンがデシャンボーを1打差で破って優勝。その後、2人は同じサザンメソジスト大学に進学し、チームメイトとなった。

2人の絆は深く、プロ入り後、資金に苦労していたスマザーマンに対し、デシャンボーがPGAツアーの予選会(Qスクール)の出場費用を支援したというエピソードも残っている。独自の方法を追求するデシャンボーの姿を間近で見てきたことも、スマザーマンが自分に合った方法を探す姿勢に刺激を与えたのではないだろうか。

2016年にプロ転向したスマザーマンは、2021年にコーンフェリーツアーで初優勝を挙げ、2020~21年シーズンのポイントランキング25位となり、PGAツアー出場資格を獲得。しかし、昇格後は思うような成績を残せず、2025年に再びコーンフェリーツアーに戻って戦うことになった。

再起をかけた2025年シーズンは2勝を挙げ、年間ポイントランキング3位で2026年のPGAツアー復帰を決めると、フェデックスカップ・フォールで一気にブレイクを果たしたのだ。

パターの“ゼロトルク化”とデータ戦略。2連勝を支えた緻密な準備

PGAツアー復帰後の2連勝につながった大きな要因の一つが、パッティングの改善である。

スマザーマンはオフにパターのフィッティングを受け、ゼロトルクのパターを手にした。本人によれば、約5.5メートル以内のパットを強気に打てるようになり、約1.8メートル以内の距離も以前より近く、快適に感じられるようになったという。

スマザーマンは、ジョーダン・スピースのコーチとして知られるキャメロン・マコーミックから約13年間にわたって指導を受けている。そして2026年シーズンから、大学時代の監督だったジョシュ・グレゴリーにパッティングの指導を受けるようになった。

長年築いてきたスイングの土台は維持しながら、新たな指導者のもとで課題となっていたパッティングの改善に重点を置いたのである。

また、ユタでの初優勝は、これまで取り組んできたことへの確信にもつながった。長年続けてきたスイングを大きく変えることなく、パッティングの改善によって結果を出せたことは、大きな自信になったはずだ。

パターの変更に加え、コースや気象条件に合わせた準備も徹底していた。ユタでは標高による飛距離の変化を想定し、事前に距離感を調整。バミューダでもプレーオフ前に、実際の風向きに近い条件となる15番ホールで弾道測定器を使ってボールの数値を確認し、ショットに備えていた。

こうしたデータに基づく地道な準備と、状況に応じた判断の積み重ねが、初優勝からの2連勝という結果につながったのである。

 風を攻略。体と腕を一体化させるライン出しショットの要点

スマザーマンの勝因の一つに、バミューダの強風を攻略したことが挙げられる。風の強い日には、ボールを低く抑え、方向性を重視したライン出しショットが有効だ。

ライン出しでは、体と腕の同調が重要になる。腕だけでコンパクトに振ろうとすると、フィニッシュで動きを止めにくくなったり、腕を振りすぎてボールが大きく曲がったりすることがある。再現性の高いライン出しを打つためには、両肘と胸の間隔を保ち、体の正面で腕をコントロールすることがポイントだ。 

まずはクラブを持たず、フォローで止めるシャドースイングから始め、慣れたら小さな振り幅で練習してほしい。コンパクトなバックスイングと下半身の動きを意識し、胴体の回転に腕を同調させることがポイントだ。

風の日のショットの安定性を高めるために、ぜひ練習に取り入れてほしい。

12月15日特別開催限定ラウンドレッスン

PGAツアー解説を中心に活動し、普段はレッスンを行わない吉田洋一郎コーチが、GOETHE LOUNGE会員のためだけに特別ラウンド個別レッスンを開催! 世界基準の理論をコースで体感できるプレミアムな1日をお見逃しなく。

【開催概要】
日程: 2026年12月15日(火)
場所: 千葉県内のアコーディア「GRAND」シリーズコース
募集枠:1組(4名まで)
参加費:初回限定価格400,000円+税/1組 ※プレーフィー、昼食代は別途。
決済方法:ゲーテラウンジでお申し込みのうえ、事前のカード決済となります。
当日の参加方法:直接開催場所のゴルフ場にお越しください。

応募期間:2026年10月30日(金)〜 11月15日(日)23:59まで

動画で解説|ライン出しショットの打ち方

◼️吉田洋一郎/Hiroichiro Yoshida
1978年北海道生まれ。ゴルフスイングコンサルタント。世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベター氏を2度にわたって日本へ招聘し、一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。『PGAツアー 超一流たちのティーチング革命』など著書多数。

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=AP/アフロ

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