「もっと飛ばしたいのに、なぜか飛ばない」インパクトを強くし、下半身を意識し、頭を残しても結果が変わらない──。そんな悩みを抱えるゴルファーは少なくない。吉田洋一郎コーチの最新ゴルフレッスンから2025年に特に多く読まれた記事を厳選して紹介。飛距離アップ編。 ※2025年1月〜11月掲載記事を再編。

1.「飛ばすぞ」で、インパクトで強く打つ意識はNG! 飛距離を伸ばす”分厚いインパクト”のコツ

インパクトでボールを強く叩けば、それに比例してボールを遠くに飛せると考えている人は多いと思う。
確かに、遠くに飛ばすためにはボールに大きな力を伝える必要があるが、インパクトでボールを強く打つ意識を持つことが遠くにボールを飛ばすことにつながるわけではない。
インパクトを強くしようと考えると、手や腕などの末端部分を使いがちだ。特に、利き手に力を入れてボールを強打すれば飛距離が伸びそうな気がするが、そのような打ち方だとスイングの再現性が乏しく、ミスヒットが増えて飛距離をロスしてしまう。
インパクトで効率的に力を伝える「分厚いインパクト」ができれば、腕力に頼らなくても力強いボールを打てる。
効率的にボールに力を伝えるためには、左サイドの使い方が重要だ。左腕と体が一体化してインパクトすることで、効率よく力を伝えることができるようになる。
たとえば、ゴルフボールの代わりにボウリングの球をインパクトの形を作って押すとイメージしてみてほしい。
2.多くの人は左足を踏み込むタイミングが間違っている! 飛距離が伸びる“下半身リード”って?

ゴルフスイングでは、体全体を使うことで飛距離を伸ばすことができる。そのなかでも下半身の使い方は特に重要で、「下半身リード」という言葉が示すように、切り返しで左足を踏み込むタイミングがスイングの質を大きく左右する。
しかし、この左足を踏み込むタイミングをつかむのは、アマチュアにとって難しい。スイングという速い動きのなかで、適切なタイミングで左足を踏み込むことは容易でない。さらに、普段あまり意識しない下半身、しかも右打ちの場合は利き足ではない左足を使うため、思うように動かせないことも多い。毎日スイング練習を重ねるプロでさえ感覚が狂うことがあるほどで、アマチュアが難しく感じるのは当然だ。
加えて、「タイミングそのものを誤解している」ケースも少なくない。特に多いのが 「インパクトで左足を踏み込む」 という誤解だ。一見、インパクトで踏み込んだほうがボールに力が伝わりそうだが、これは間違いである。インパクトで踏み込むと地面反力が得られず、体の回転スピードが上がらない。
左足の踏み込みは、もっと早い段階で行う必要がある。理解していても、実際の動作では遅れ、結果としてインパクトの瞬間に踏み込んでしまうことも多い。
3.体が突っ込んで、スライスするよ…解決策は、姿勢・頭を動かさない・体重を右に残す…ではない!

ダウンスイングで「体が突っ込んでいる」と指摘された経験のあるアマチュアゴルファーは多いだろう。ここでいう突っ込みとは、ダウンスイングの途中で体が目標方向へ傾きながら移動してしまう動きのことだ。
上半身でボールを打ちに行くような動きとも表現され、その結果、スイング軌道がアウトサイドインになってスライスの原因になることがある。
もちろん、この動きはできるだけ早く修正したいところだが、簡単には直らない。
「突っ込まないように」と言われれば、「姿勢をまっすぐ保つ」「頭を動かさない」「体重を右に残す」「下半身を安定させる」――こうしたアドバイスを意識するだろう。
いずれも間違いではないが、ダウンスイングだけを直そうとすると動きがぎこちなくなり、根本原因を理解していなければ一時的に改善してもすぐ元通りになってしまう。
なぜなら、ダウンスイングだけを変えても、その前段階の動きが適切でなければ突っ込みの癖は残るからだ。逆に言えば、スイングの始動から体を適切な順番で使うことができれば、突っ込みは自然と解消される。
4.スライスや引っかけ、思ったよりも飛んでない…その原因はダウンスイングの軌道にある

「ゴルフスイングは、クラブをまっすぐ上げて、同じ軌道でまっすぐ下ろすだけ」と言われることもあるが、人間はロボットのように毎回同じスイング軌道でボールを打てるわけではない。そのため、実際にはバックスイングとダウンスイングで多少異なるのが普通だ。
多くのプロゴルファーは、バックスイングよりもわずかに内側からクラブが下りてくる「インサイド軌道」を取る。切り返しで下半身を先行させることで、自然にダウンスイングの軌道がフラットになり、インサイドから下りやすくなるのだ。
この軌道とは逆に、バックスイングより外側からクラブが下りてくるのが「逆ループ軌道」だ。
プロゴルファーにも逆ループ軌道の選手は存在するため、一概に良い・悪いと言うことはできない。ただ、アマチュアゴルファーの場合は、逆ループ軌道が好ましくないケースが多い。
スライスや左への引っかけなどのミスが起こりやすくなるからだ。インサイドに上げたクラブがダウンスイングでアウトサイドから下りると、ボールは右に曲がったり、極端に左に飛んだりして安定しない。
いずれの場合も飛距離が出ず、打ってみなければどこに飛ぶかわからない――そんな不安定なショットにつながってしまう。
5.練習では当たるのに、コースに出ると急に手で打ちにいってしまう…そんな時に確認すべきこと

「練習では当たるのに、コースに出ると急に手で打ちにいってしまう」。この悩みは、多くのアマチュアが抱える“手打ち”の典型的な症状だ。スイングのある局面で手や腕が主導権を握ってしまうと、スイングの再現性が落ち、飛距離も方向性も安定しなくなる。
手打ちが生まれる最大の原因は、ダウンスイングの二つの局面——切り返しとインパクト直前で手や腕が先に動きたがることにある。
トップから右手が前に出てボールを直線的に打ちに行ってしまったり、インパクト直前でボールを叩きにいく動きが入ると、体よりも手や腕が先行し、クラブヘッドは外から下りたり、インパクトが急角度になりやすい。
結果として余計なスピンがかかり、方向性が不安定になるうえに飛距離も伸びない。
こうした手打ちを解消するうえで重要なのは、手や腕の動きを無理に変えることではなく、“体が先・腕は後”というスイングの適切な動作順序を体に覚え込ませることだ。右利きのゴルファーはどうしても右手に頼りやすいため、意識的に“左サイドを主役にする”くらいの極端な発想転換が必要になる。
体と左サイドを連動させて動かし、その動きにつられて手や腕が下りてくる——この流れが作れれば、手打ちの癖は自然に薄れていく。
そのために効果的なのが、自宅でもラウンド前でも取り組めるクラブ不要のシャドースイングドリルだ。動きはシンプルだが効果は非常に大きく、手打ちの癖を根本から矯正し、体主導のスイングを身につけるうえで最適な練習法といえる。

