フランス発の名門マウンテンスポーツブランド「サロモン」が、いまランナーだけでなくファッション好きの足元も席巻している。プロアスリートから感度の高い若者、さらに幅広い世代にまで支持を広げるのはなぜか。その理由は、誰も見たことのないプロダクトを生み出し続けるクリエイション力と、ギアの先にある“体験”まで設計するブランド戦略にあった。

サロモンとは? スキーから始まった“革新”のものづくり
休日ともなると皇居周辺を1万人近いランナーが走り、東京マラソンのエントリー倍率は10倍近くにまで上昇。何度目かのランブームが到来している昨今、ランニングの現場だけでなく、若者たちが集うファッションタウンの足元でもよく見かけるブランドがある。
それがフランス発のマウンテンスポーツブランドであるサロモンだ。世界のスポーツシーンに多大な影響を与えてきた老舗は、なぜいま時代のトップランナーとして躍り出たのだろうか。
1947年、フランス東部アヌシーにてジョージ・サロモンによって創業されたサロモン。当初は小さなスキー用品店であったが、1957年に革新的なスキービンディングを開発。スキーシーンに革命をもたらし、近代スキーの発展に大きく寄与した。
その後も“イノヴェーション”をブランド哲学のひとつに掲げ、スキーギアを中心に展開。1990年代後半からはスノーボードやインラインスケートを皮切りに、スポーツ全般のギア開発へ進出した。
そしてその革新的かつ高性能なスポーツギアは、プロフェッショナルアスリートから一般のスポーツ愛好者にまで、高く評価されるに至った。
ザ・ブロークン・アームとのコラボが転機。サロモンがファッション界で火がついた理由
そんなサロモンはスポーツの分野に留まらず、近年ファッションの分野でも注目度が高まっている。その契機となったのが、2015年に始まったフランスの「ザ・ブロークン・アーム」とのコラボレーションだ。

きっかけは、「ザ・ブロークン・アーム」の顧客が履いていたスノートレイルランニング用シューズを気に入った同店スタッフが、サロモンに問い合わせたことだった。このコラボスニーカーは瞬く間に世界で話題となり、ファッションシーンにおけるサロモンの知名度も飛躍的に向上。以降、著名セレクトショップやナショナルブランドとのコラボレーションが実現したのだ。
そしてサロモンは、機能的なアウトドアウェアを街着として採り入れる近年のファッショントレンド「ゴープコア」の一翼を担う存在となったのである。
サロモンは“売って終わり”じゃない。トレイルランニングの大会・スクール・地域連携
ここで特筆すべきは、サロモンがファッション向けのシューズをつくっているわけではない点だ。
あくまでマウンテンスポーツに特化し、種目別の機能を追求したシューズ開発を貫いている。だからこそ、本格派のアウトドアギアを採り入れる現在の傾向に合致し、多くの若者の支持を得たのだ。
また、そうした本質を追求するブランドの姿勢は、「野沢温泉マウンテントレイル」や「白馬国際クラシック」といったトレイルランニングの大会サポートにも表れている。
さらにトレイルランニングという新しいスポーツを普及させるべく、「トレイルランニングアカデミー」というレッスンスクールも開設。2026年秋よりスタートさせたが、6名の受講生募集に500名以上の応募が殺到する人気ぶりだという。また、山梨県富士吉田市との協働により、山梨県側の富士登山道「吉田口登山道」の拠点の整備、環境保全も推進している。
ギアを販売するだけでなく、ギアを使って競技を体験する機会までを提供するサロモンの取り組みは、大会やイベント、地域を通じたコミュニティの形成にもつながっている。公式アプリ「S/PLUS」によるコミュニケーションも一役買っているだろう。
ギアという「点」から各種の大会という「線」、そしてコミュニティという「面」へと発展させることで、そこにトレイルランニングを巡るカルチャーが生み出されているのだ。
サロモンが仕掛ける「グラベルランニング」とは? 11月3日に有明で初イベント
そして、そんなサロモンがこれまでにない試みとして現在取り組んでいるのが、「グラベルランニング」という新しいランニングスタイルの普及と専用シューズの開発だ。
グラベルランニングとは、舗装路から未舗装路まで、あらゆる道をシームレスで自由に走るスタイルのこと。タイムや順位を競い合うのではなく、コース上での思いがけない発見や、走ることの楽しみそのものを重視する。
そこで求められるシューズも、これまでのランニングシューズとは異なる機能やデザインが問われるだろう。数々の“なかったもの”を創造してきた、サロモンの真骨頂といっても過言ではない。

そのグラベルランニングを体験できる場として、サロモンは2026年11月3日(火・祝)、東京・有明の「livedoor URBAN SPORTS PARK」および有明親水海浜公園にて、都市型ランニングフェスティバル「Gravel Festival.(グラベル フェスティバル)」を初開催する。
舞台となるのは、東京2020大会のレガシーが集積するアーバンスポーツの拠点。普段はスケートボードのために設計されたパークや、その先に広がる砂浜が、この日だけランニングコースへと変貌する。アスファルト、スケートパーク、砂浜と、異なる路面をシームレスに走り抜けるのが特徴だ。
メインとなるランニングイベントは、2〜3名で1チームを組み、2種類のコースをリレー形式で合計6周(約18km)走りつなぐ「Gravel Relay Run(グラベル リレー ラン)」と、親子2名1組で参加できる「Gravel Family Run(グラベル ファミリー ラン)」の2つ。仲間とたすきをつなぐ楽しさも、家族で一緒に走る楽しさも味わえる構成だ。
会場には、日中のDJプレイから夕暮れのアフターセレブレーションへとつながる音楽コンテンツも用意される。ピックルボールやバスケットボール、モンスタージャングルなどのアクティビティもあり、走らない家族も一緒に楽しめる。会場への入場は無料だ。
サロモンが生み出す、まだ見ぬ新しいランニングカルチャーに、大いに期待したい。
問い合わせ
サロモン/サロモン コールセンター TEL:050-1720-4849






