自身のワードローブにもすでに持っているほど定番化した王道の1着。ともすると味気ないが、普遍性は捨ておけない。そこで欠かせないのが“ちょっと違う”クセありでモダンな1着だ。今回は、スーツ編。【特集 大人服2024】
エグゼクティブの品格は“肩”に宿る
ビジネススタイルのカジュアル化が定着したことで今人気なのが、肩綿の省略されたアンコン仕立てのスーツや、ストレッチの効いたスーツ。こうしたノンストレスな着心地は、ビジネスマンにとって欠かせない存在だが、見方によっては気の抜けた印象になりがちだ。
そこで、今こそ芯地入りのスーツをお薦めしたい。なぜならば、肩綿や芯地のある正統派の仕立てながらも、単なる’80年代的なレトロではなく、モダンな美しいシルエットの1着が増えているからだ。
つまり、昔着ていた肩パッドのような印象はまったくなく今どきな着こなしと威厳を両立できるということ。もちろん、見た目だけでなく、軽さや快適さを損なわずに着られる1着が展開されているので、ご安心を。自身の見え方に注目して至高の1着に袖を通すことが、真のエグゼクティブといえるのではないだろうか。
1.ブリオーニ|精緻なルックスとは裏腹に着心地は実に軽やか
エグゼクティブにふさわしいスーツを提供するブリオーニ。芯地の入った1着といっても、現代の必須機能である快適さは健在。芯地を薄く、そしてアンライニングで仕立てている。ビジネスマンに寄り添いながらも、着る人の格を上げる上品なモノ作りを続けている点にらしさが滲む。
2.ジョルジオ アルマーニ|カジュアル“ダウン”にならない大人のジャケット
クラシカルな3ボタンのスーツをベースに、ストレッチの効いた機能美が特徴。さらに、ヴァージンウールにカシミアをブレンドし、なめらかな風合いも魅力的。ニットを合わせたセミカジュアルな装いでも、素材と仕立てのよさが洗練さを際立たせる。
この記事はGOETHE 2024年11月号「特集:トレンドを超越した、古くて新しい大人服」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら