連載「I Don’t WEAR Jewelry. I WEAR Art」。今回は、重ねづけをすることで、より豊かな表情を楽しめる「サンローラン」。
異なるモチーフが重なることで、新たな魅力を纏う
ただひとつで絵になるジュエリーもあれば、重ねづけすることでその魅力をより高めるジュエリーもある。サンローランのブレスレットは、後者の魅力を堪能させてくれる。
重ねづけしたブレスは3種。ゴールドに輝くブレスレットは、そもそも7種の異なるチェーンを組み合わせたもの。揺れ動くことによってさらに視線を集めるブレスレットは、繊細ながら存在感がある。ツイストデザインやレクタンギュラーチェーンのブレスレットと合わせることで、手元はより華やかに。
その姿はゴージャスであり、それでいてエスニックでもあり、複数の合わせによって表情がより豊かになったということだ。
コーディネイトのアクセントではなく主役として
その名も「クローブレスレット」。その名のとおり獣の爪をイメージさせる鋭い先端が、まるで手首を鷲摑みしているかのようだ。右ページでつけたリングも同様のデザインで、これもまた3連デザインとなっている。
素材はイエローゴールド、ペールゴールド、そしてグレーゴールドと異なるゴールドを組み合わせ、そのグラデーションが手首を彩る。3連にすることによって存在感を高めたそのブレスレットとリングは、単にコーディネイトに華やぎを与えるだけでなく、シンボリックな雰囲気を楽しませる。
だからこそ、スタイリングはシンプルに。時に、ウェアはジュエリーを引き立てる役割であっていい。そう思わせてくれるジュエリーが、サンローランには揃っている。
■連載「I Don’t WEAR Jewelry. I WEAR Art」とは……
時にファッションとして、時にシンボルとして、またはアートに……。ジュエリーを身につける理由は、実にさまざまだ。だが、そのどれもがアイデンティティの表明であり、身につけた日々は、つまり人生の足跡。そんな価値あるジュエリーを紹介する。