連載「I Don’t WEAR Jewelry. I WEAR Art」。今回は、それはもはやジュエリーと呼ぶよりアートと評したくなる「グッチ」。
つい視線が奪われる、エモーショナルなジュエリー
こうも暑い日が続くと、ジュエリーを身につけるのも躊躇してしまう。しかし、植物にインスピレーションを得る「グッチ フローラ」なら、ジュエリーで涼を求めることができそうだ。
花々をモチーフにするコレクションは、精巧な造形が実に美しい。例えばリングにおいてはバネ構造を用いることで、花びらが風に揺れる様子を表現。また、ブレスレットに採用されているモチーフの葉の部分には、細かな葉脈までも緻密に彫りこまれている。“咲き誇るような優美さ”というテーマは、まさしく言い得て妙だ。
今回紹介するイエローゴールドのほかに、ホワイトゴールドのバリエーションも。あしらわれるダイヤモンドやグリーンのツァボライトは、まるで花の柱頭であり、または朝露のごとくきらめく。
自然に着想を得た美しさは、すべての人を魅了する
ファインジュエリー「グッチ フローラ」。その原点となるフローラプリントは、1960年代に生みだされた。モナコのグレース大公妃のためのシルクスカーフ用としてデザインされたものと聞けば、“咲き誇るような優美さ”というテーマはなおさら腑に落ちることだろう。
イエローゴールドにダイヤモンドとツァボライトをふんだんにあしらったネックレスは、シンボリックな存在感を優美に主張する。一見すると豪華絢爛な印象を受けながらも、各パーツの線は実に繊細に作られており、植物をモチーフにしたデザインとともに、むしろ涼やかな雰囲気を纏っている。シンボリック、そしてアートフルにしてスタイリッシュ。
「グッチ フローラ」の多様な魅力は、ジェンダーを問わず楽しむことを可能にしている。
■連載「I Don’t WEAR Jewelry. I WEAR Art」とは……
時にファッションとして、時にシンボルとして、またはアートに……。ジュエリーを身につける理由は、実にさまざまだ。だが、そのどれもがアイデンティティの表明であり、身につけた日々は、つまり人生の足跡。そんな価値あるジュエリーを紹介する。