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ENTERTAINMENT

2021.12.20

【滝藤賢一】ウィンストン・チャーチル、スティーブ・ジョブズ。生き方に刺激を受ける伝記映画を総まとめ!──連載「映画独り語り座」

俳優・滝藤賢一による本誌連載「滝藤賢一の映画独り語り座」。約6年にわたり続いている人気コラムにて、これまで紹介した映画の数々を編集部がテーマごとにピックアップ。この年末年始に、あなたの人生と共鳴する一本をご提案! 今回は、伝記映画編

『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』

ウィンストン・チャーチル

ゲイリー・オールドマンの演技は、役者になりたい、そう思わせてくれた原点

ある意味、ぶっ飛んだ要素を持った俳優でいたい。

僕がそう痛烈に感じたのは『シド&ナンシー』のシド役で狂ったようにシャウトするゲイリー・オールドマンを見た時です。さらに’90年代の彼はヤバかった! 『ドラキュラ』『トゥルー・ロマンス』『レオン』に『フィフス・エレメント』……。彼ほど悪役をモノにし、スターダムにのし上った人はいないのではないでしょうか?

ついに、そのゲイリー・オールドマンがアカデミー賞主演男優賞の最有力候補です(授賞式は3月4日)。最近、トゲがなくなってしまったように感じていましたが、なんのその。還暦を目前に英国首相ウィンストン・チャーチルという役を呼び寄せ、演じ切ったんですから、やっぱり役者って仕事は面白い。

映画は1940年5月、ヒトラー率いるドイツ軍がベネルクス三国とフランスへ侵攻を始め、イギリスへの侵略も時間の問題に。その最悪な状況で首相に任命されるのがチャーチル――。

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『リリーのすべて』

リリーのすべて

愛する人の秘密と変化。 どこまで愛せるか、どこまで許せるか

2015年は最優秀主演男優賞に、『博士と彼女のセオリー』のエディ・レッドメインをいち推しして、見事、当てた滝藤でございます。そして、今年も再びエディを推したいと思います。30代前半の伸び盛りの俳優っていいですね。まあ、僕は32歳までアルバイトをしていましたけど、それが何か?(笑)。

でも、いいのでしょうか? 主演女優賞じゃなくて。というのも、彼が演じているのは世界初の性別適合手術を受けた人物だからです。

時代は1920年代のデンマーク。エディ演じるアイナーは風景画家で、妻のゲルダも肖像画家。平穏な結婚生活を営んでいたふたりでしたが、妻の制作のため、バレリーナの肖像画のモデルを務めたアイナーに大きな変化が。眠っていた人格が殻を破って一気に自己主張しだすんです。その演技の組み立てが、今回も実に素晴らしい。ギリッギリのラインを攻めてます――。

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『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』

トランボ

才能に見放されず家族にも愛される。最高の人生の物語

絵になる男だなぁ。参りました、いちいちカッコいいんです。鳥を肩に乗せ執筆している姿。バスタブの中で脚本を書く姿。黒縁眼鏡に煙草。素敵だ。

才能に見放されず家族にも愛される。最高の人生の物語
主人公の名前は、ダルトン・トランボ。『ローマの休日』の脚本を手がけた男。これでアカデミー賞の原案賞も獲りましたが、授賞式の瞬間、壇上にいないどころか、書いた事実は長い間、隠されていた。映画人の労働者問題に肩入れしていた彼は共産主義者として、1940年代後半にアメリカで吹き荒れたマッカーシズム(反共主義運動)の際、糾弾され、ブラックリストに載り、ハリウッドから追放されてしまいます。

ある日突然、国から悪だと決めつけられ、刑務所に放り込まれる。こんなことがまかり通ってしまう時代が恐ろしい。これでもか、とトランボを追い込むゴシップコラムニスト役に、オスカー女優のヘレン・ミレン。はらわたが煮えくり返るほどムカつく。……抜群です。愛国心を振りかざし、世論を操作し、トランボを社会的に抹殺する。共産主義者を叩き潰すことが使命だと信じ切って正義に酔う、狂信的な怖さを嬉々として演じています。帽子の被り方までいちいち癇(かん)に障るほど。

ん? このままでは暗く、悲惨な物語だと思われるかもしれませんが、潰されても心折れることなく書き続けるトランボは、ポジティブすぎて気持ちがいい! なにせ、偽名で二度もアカデミー賞を獲ってしまう男の話ですから、すこぶる痛快な映画です――。

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『スティーブ・ジョブズ』

スティーブ・ジョブズ

スリリングな怒濤の会話劇。 一時も目が離せない!

2015年、『破裂』というドラマで、クレイジーな方法で高齢者を減らそうとする官僚を演じました。その時、役の参考に、ある革命児の遺した言葉を台本に記した滝藤です。それは、「クレイジーな人たちを称えよう。はみ出しもの、反逆者、トラブルメイカー、彼らは四角い穴に丸い杭を打ちこむ。彼らを無視することはできない。なぜなら彼らは物事を変えたからだ」というもの。

この発言者のとんでもない面を余すところなく伝えた作品が、この『スティーブ・ジョブズ』。僕は彼がこんなに“欠けている”人とは知りませんでした。娘への愛情もなければ、仲間への感謝も、自身でマシンを生み出す技術も知識もない。あるのは人を驚かす発想と、絶対に実現するのだという妄想に近い信念だけ。とてつもなく頑固で偏屈者――。

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Kenichi Takitoh
1976年愛知県生まれ。初のスタイルブック『『服と賢一 滝藤賢一の「私服」着こなし218』』(主婦と生活社刊)が発売中。滝藤さんが植物愛を語る『趣味の園芸』(NHK Eテレ)も放送中。

COMPOSITION=金原由佳

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