友人宅に急にお呼ばれした場合やちょっとしたプレゼント、自宅でのカジュアルなランチ会などの際に、近所のスーパーやデパートなどで5,000〜1万円で買える“ちょっといいワイン”を知っておくと大変便利なもの。おいしいのは絶対条件で、ちょっと蘊蓄も語れると最高ですよね。そんな「街中で買える、1万円以下の“お宝ワイン”」を、年間1000種類近いワインをテイスティングし、つねにおいしいワインを探し求めているワインブロガー・ヒマワイン氏がご紹介。

4,000円台で4.5評価は激レア
Vivinoというアプリをご存知でしょうか。ワインのラベルをスマホのカメラでスキャンすると、そのワインのプロフィールが表示され、ユーザーによる採点も見られるというアプリです。雑に言えば「食べログ」のワイン版といったところでしょうか。
私はワインを飲み始めの知識ゼロのころ、このアプリにずいぶんお世話になりました。なにを飲めばいいのかさっぱりわからなかったので、このアプリの点数を参考にワインを選び、そこから自分の好みを見つけていったのでした。
このVivinoはワインをスキャンするだけでなく、おすすめのワインを探し、購入することも可能。もちろん価格別にソートもできます。この連載は「1万円以下のお宝ワイン」ですが、では「1万円以下でもっとも高く評価されているワインはなにか?」がふと気になったので調べてみました。
すると出てきたのが「ヌアラ ソーヴィニヨン・ブラン リザーヴ」というワイン。4,000円台のワインですが、点数は「4.5」と超高得点。
Vivinoの得点は、あくまで私の体感値ですが3.6以上だとおいしい確率が高く、3.9を超えるとまずハズレを引くことがありません。金額との対応でいうと、私のメインフィールドである3,000円以下の安ワインでは4.0を超えることはほぼなく、金額的には天井知らずの世界のトップワインで4.6-4.8のレンジ。4,000円台で4.5は外れ値といっていいレベルです。超・参考までにですが、300万円以上する「ロマネ・コンティ」で数値は4.7ですから、4,000円台で4.5がどれだけ高コスパかわかるかと思います。
しかも品種は夏にピッタリの爽やか品種「ソーヴィニヨン・ブラン」。これは買わない理由がありません。
調べてみるとヌアラはソーヴィニヨン・ブランの産地として世界的に有名なニュージーランド・マールボロ地方の生産者。ワインの造りも複雑で、単一畑から手摘みで収穫されたブドウを用い、全房プレス後に野生酵母によって発酵。発酵においても熟成においても、オーク樽とステンレスタンクを併用しているようです。
ソーヴィニヨン・ブランはフレッシュさがウリの品種なので、ステンレスタンクのみで発酵・熟成を行うことが多い印象ですが、このワインはバニラやナッツ、トーストのような風味をワインに与える新樽も用いています。非常に期待が高まってきます。
というわけで、うだるように暑い夏の午後、キンキンに冷やしたこのワインを抜栓してみました。ワイン評価アプリ・Vivinoの“1万円以下最強ワイン”その実力はいかほどのものでしょうか。
スクリューキャップを開けると、ふわっとドライフラワーのような香りが漂います。グラスに注ぐ前、「開けた瞬間の香り」を私はわりと重視しており、ここが香れば香るほどおいしいワインである確率が高いと私は思っております。ハンバーグをナイフでふたつに割った瞬間に肉汁がじゅわーっと溢れると「おいしい確定」になる感じです。
グラスに注ぐと、香りはさらに豊かになります。ソーヴィニヨン・ブランらしいレモンやグレープフルーツ、青草の香りに加えて、トーストというかパンというかって香りがほのかに漂います。
味わいにおいては、さわやかさのなかにジュワッとした旨味の芯が通っています。黄色い柑橘のニュアンスに、あんずやビワのようなオレンジりの果実の雰囲気が加わっているのは、新樽を使って熟成させている効果でしょうか。
というわけで、たしかにこれはお値段以上。私はサーモンのホイル焼きと合わせましたが、仕上げにレモンをキュッと絞ったそれと最高の相性でした。夏野菜の揚げ浸し、とうもろこしのかき揚げなんかにも合いそうです。
夏にピッタリのニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン、みなさんもぜひお試しください!
ヒマワイン
年間約1000種類のワインを飲み、「ヒマだしワインのむ。」というブログを運営するワインブロガー。高いワインも安いワインも、地球上で造られるすべてのワインが好き。

