TRUNK代表取締役社長 野尻佳孝氏の心を掴み続ける「S級グルメ」を紹介。【特集 心震えるS級グルメ】

自分にとって唯一無二の味
地元の中華であろうと高級店であろうと、自分にとってこれこそが唯一無二と思える味。TRUNK代表取締役社長 野尻佳孝氏の心を震わすS級グルメは、そんな店にある。
「これこそ、自分にとって “死ぬ前に食べる飯”なんです」と、今も月に1~2回は通い続けているのが東中野「大盛軒」の鉄板麺(半ラーメンつき)だ。東中野で過ごした中学・高校時代、放課後は行列ができるため、終礼前に教室を抜けだして席取りをするほど通い詰めた。
「ここの順番待ちで先輩と揉めた苦い経験も、今となってはいい思い出です(笑)」
食べ方にも、通い詰めたからこそ極めたスタイルがある。肉野菜の中央に穴を開けて生卵を割りとき、肉野菜で蓋をしたらタバスコをかけてかき混ぜる。そこにカリカリのニンニクチップを好みで加えるのが野尻流だ。
また、これまでさまざまな鮨店を経験してきた野尻氏だが、そのなかでも「一生通い続けたいと思った唯一の店」、それが六本木「鮨さいとう」だ。
2009年にミシュラン3つ星を獲得し、返上するまで10年間その星を維持し続けた鮨の名店の店主、齋藤孝司氏は野尻氏の同級生であり、今も尊敬する友人だという。
「ツマミよりも断然握り派」という野尻氏にとって、齋藤氏の握りはどれもが唯一無二。
「極上のネタはもちろんですが、何よりシャリが好き。あまりの美味しさに、握る齋藤さんの手から特別なエキスが出ているのでは?と疑っています(笑)」
「握りは早く食べるのが信条」と、目の前に出された握りは齋藤氏の手とすれ違うくらいの速さで口へと運ぶ。同行者にも、お喋りに夢中になって手を止めないように、とあらかじめ伝えるほどの徹底ぶりだ。
25年前、秋元康氏に紹介されたふぐの名店、六本木「味満ん」も野尻氏にとって大切な場所だ。
「実は息子の誕生日にあわせて、毎年家族でお邪魔しているんです。贅沢な話ですが、野尻家にとっては特別な場所です」
とにかく「何処のフグより最高級品質」という味に惚れ、塩焼き、骨ありの唐揚げ、〆の雑炊までを心ゆくまで楽しんでいる。
「特にてっさは、いつも2人前はぺろりと食べてしまいます。最初は何もつけずにそのままで。次にポン酢ダレ、ネギ、もみじおろし、次にあん肝ダレで楽しみます。そして最後に、ポン酢ダレとあん肝タレを混ぜて食べるのが最高なんです。」
美味しさと同時に、ともに味わう人達や過ごした時間が、その一皿をより特別にする。それが野尻氏の心を震わす唯一無二の料理なのだ。
野尻佳孝のS級グルメ3選
1.人生最後の瞬間まで味わいたい、学生時代から通う味
大盛軒「鉄板麺(半ラーメンつき)」
アツアツの鉄板に山盛りの野菜に豚肉、そして半ラーメンとボリュームたっぷり。ラーメンは有り無しが選べる。なんといってもたまらないのは、テーブルに運ばれる前から聴こえる鉄板を焦がす音。「『ジューッ』という音を聞くだけで、もう口の中に唾液が広がる(笑)」(野尻氏)。今も変わらないこの味を求め、通う常連も多い。

2.握りひとつひとつに向き合える、唯一無二の鮨
鮨さいとう「握り」
国内外の食通を魅了する鮨の名店。「齋藤さんの握りこそ、超江戸前。極上のネタも美味しいですが、何よりシャリが好き」という野尻氏だが、この店を接待に使うことはないという。
「あくまでもここは、自分が鮨を存分に堪能するための場所。鮨さいとうは私にとって、鮨と真剣に向き合える時空なんです」
3.家族の特別な場所で、極上のふぐを心ゆくまで味わう
味満ん「てっさ」「ふぐの唐揚げ」
六本木の裏道にひっそりとたたずむ、最高品質のふぐを堪能できる老舗のふぐ料理専門店。野尻家にとっては、家族の誕生日を祝うために毎冬訪れる特別な店だ。

1972年東京都生まれ。住友海
上火災保険を経て1998年にテイ
クアンドギヴ・ニーズを設立。
2006年には東証一部上場を果
たす。2016年、ブティックホテ
ルを運営するTRUNKを設立、
代表取締役に就任。






