2026年4月にフリーアナウンサーへ転身し、新たなスタートを切った岩田絵里奈さん。彼女にとってのS級グルメは、味はもちろんスタッフとの交流も忘れ難いハートフルな店だった。【特集 心震えるS級グルメ】

仕事終わりの一杯も、家族の思い出も。岩田絵里奈を支えた4つの味
岩田絵里奈さんが「日テレ時代の思い出の味」というのが、本社にほど近い「はるちゃんラーメン」と「銀座 嘉禅」。カウンターのみのラーメン店と、北京ダックやフカヒレなどで知られる高級中華の名店。対極にあるように思える2軒だが、どちらも仕事に邁進した日々を支えてくれた“ごほうびご飯”だ。
「『はるちゃんラーメン』に一番通っていたのは、朝の情報番組『スッキリ』を担当していた頃。心臓の音が聞こえるくらい追い詰められていた生放送の2時間を終えた後、毎日のようにお昼を食べに行っていました。
塩味が効いたラーメンが、疲れた体と脳にしみるんですよ。(店主の)はるちゃんが、『テレビ見たよ。頑張っているね』と声をかけてくれるのも励みになっていましたね」
「銀座 嘉禅」は、仕事の節目や家族の記念日など、特別な日に訪れる店。簗田(やなだ)圭シェフが手がける独創的な広東料理はもちろん、落ち着いた店の佇まいやホスピタリティなど、「すべてが好き!」と、岩田さん。
「簗田さんは、どうしたらお客様に喜んでいただけるかを常に考えている人。メニューが2ヵ月に1度変わりますし、種類も量も多くてサービス精神旺盛なんです。仕事に真剣に取り組む姿勢は見習いたいなと思っています」
この2店とともに忘れられない味になっているのが、幼少期に家族でよく訪れた焼肉店とカレー専門店。
「2店とも家の近所だったので、週末におじゃましていました。うちの母はすごくフレンドリーでお店の方とすぐに仲良くなるタイプ。そのせいか、店長さんはじめお店のスタッフさんと仲良しで、私もかわいがってもらって。どちらも子ども時代の記憶と結びつく、懐かしい味です」
味の話をしていても、自然と店のスタッフの人柄や思い出話に盛り上がる岩田さん。岩田さんにとってS級グルメとは、胃袋を満たすためだけに訪れるのではなく心も満たす場所なのだ。
岩田絵里奈さんのS級グルメ4選
1.疲れたカラダと脳に染みる濃厚塩味。はるちゃんラーメン「中華そば&はるたま」

「はるちゃんラーメン」が新橋駅前にオープンしたのは、2021年夏。岩田さんが、入社4年目にして朝の情報番組『スッキリ』のアシスタントMCに抜擢された頃と重なる。2023年からは4年連続でミシュランのビブグルマンに選ばれ、2024年には東銀座に総本店となる「銀座はるちゃんラーメン」を開業するなど、快進撃を続けている。
「番組とその後の打ち合わせが終わった後、先輩アナウンサーの森圭介さんと行くことが多かったですね。森さんから『岩田に付き合って毎日ラーメン食べていたら太ったじゃないか』とクレームを言われたこともありました(笑)」
豚の旨味に煮干しや香味野菜を合わせるなど、食材のバランスを考え、火加減にもこだわったスープに塩だれを加えた「中華そば」は毎日でも食べ飽きないおいしさ。特注の平打ち麺は、表面はツルッとしながらも、噛むとモチモチした食感が楽しめ、スープがよくからむ。赤身でしっとりしたウデと、脂身が多く、やわらかなバラの2種類の部位を用いた豚チャーシューのファンも多い。
「日テレを退職してからも、後輩を誘って月に1度は新橋店に食べに行っています。はるちゃんは銀座のお店にいるらしいので、今度はそちらに行ってみようかな」
2.「ここでしか食べられない」。銀座 嘉禅の極上「北京ダック」

中国飯店グループや香港のマンダリンオリエンタルホテルグループといった広東料理の名門で腕を磨いた簗田シェフが、2022年に開業。
「しょっちゅう利用できるお店ではないので、仕事を頑張ったごほうびや疲れて癒やしが必要な時など特別な機会にうかがっています。どのお料理もおいしいんですが、なかでも北京ダックは最高! この味を知ったら、もう他のお店では食べられないくらい。お料理も、お店の雰囲気も、サービスも素晴らしいので、父の誕生日祝いに両親を招待したこともあります。父も母もすごく喜んでくれて、いい親孝行ができました」
日頃はラーメンやカレー、ハンバーグといった気取らない料理を好み、気の置けない店で、お腹いっぱいになるまでガッツリ食べるのが好きという岩田さんだが、この店だけは別。
「インテリアは高級感があって洒落ているけれど、気取りがなくて落ち着いていて、すごく居心地がいいんですよね。簗田さんが、明るくて、誰に対してもフラットに接してくださるからなのかな。簗田さんとはプライベートでも仲良しで、友達も交えて食事に行ったりしていますが、いつも励ましてくれるし、応援してくれる。親戚のおじちゃんみたいな存在です」
食事を楽しむだけではなく、そこにいる人との交流でもエネルギーをチャージする。岩田さんにとって外食は、コミュニケーションの場にもなっている。
3.25年以上通う第二の食卓。壱語屋 たまプラーザ店「炭火焼肉定食C」

「初めて来たのは1歳とか2歳の時で、私の焼肉初体験のお店。小さい時必ず頼んでいたのはカルビ。大人になってからはハラミのような赤身が好きになりましたが、このお店に来るとやっぱりカルビを選んじゃいます。私にとって郷愁の味なんです」
岩田家が休日のランチに利用していたという「壱語屋 たまプラーザ店」は、木々に彩られた瀟洒な造りの一軒家。駅から徒歩5分と好立地で、場所柄家族連れが目立つ。大きなガラス窓からは緑を望め、木製のテーブルとイス、レンガをあしらった壁など、シックな空間はぬくもりに満ちている。その温かさもファミリー層から愛される理由だ。
「ランチセットには辛めの冷奴とサラダがつくんですが、これもすごくおいしい! 特製のタレも私好みで、ごはんにタレをかけただけで何杯でもイケちゃうくらい。テーブルにアヒルの形をした楊枝入れが置いてあって、それは今も健在。そのコ、たぶんキャリア30年くらいだと思います。
店長さんも昔から知っているし、スタッフさんとも親しくさせてもらっていて、ほぼ実家です(笑)。母なんて、店長に『早く結婚しなさい』ってせっついていましたね。今考えると、かなりお節介ですよね」
4.本格インドカレーを初めて知った店。アクバル たまプラーザ店「お子様カレー」

1982年の創業当時から、日本人にはなじみのなかったナンを出すなど、本格的な北インド料理専門店として地域に根づいている「アクバル」。小麦粉をベースにした日本のカレーとは異なり、野菜や薬効豊かな香辛料を多用。化学調味料不使用で脂肪分が少なくヘルシーなカレーは、どこかやさしい味わいで日本人にも親しみやすい。
「家族で通っていた子どもの頃は、駅前の東急百貨店の中にあったんですよ。しょっちゅう行っていたからお店の人とも顔なじみで、マンゴーラッシーをサービスしてもらったりして」
岩田さんが必ずオーダーしていたのは、「お子様セット」。幼い子どもでもおいしく食べられるように、スパイスの風味を残しつつもマイルドに仕上げたカレーをメインに、ヨーグルトとスパイスで味をつけたインドのデザート、フルーツライタやアップルジュースまでついている。
「この味が大好きで、小学校高学年になっても頼んでいました。移転してからはおじゃまできていないんですが、今もあのカレーの味は忘れられません」

1995年東京都生まれ。2018年に慶應義塾大学卒業後、日本テレビに入社。『シューイチ』『スッキリ』など看板番組を担当し、2026年4月からフリーアナウンサーに。『世界まる見え!テレビ特捜部』(日本テレビ)に出演中。

