中田英寿が考える日本酒の未来からキャンプに合う日本酒まで、注目の日本酒トピックをまとめて紹介! ※GOETHE2022年10月号掲載記事を再編。
1.中田英寿が考える、日本酒の未来図とは
日本の伝統文化に魅せられ、その普及と発展をミッションに活動する中田英寿氏。なかでも真っ先に日本酒に着手した理由は「日本酒はほぼ国内でしかつくられていない日本独自の文化。海外を含め、市場はまだ伸びると確信したから」。
ところが、日本酒を知れば知るほど、情報発信や温度管理、流通システムなど、酒蔵や業界が抱える課題が見えてきた。中田氏は、日本酒や酒蔵の情報をまとめ多言語で発信する日本酒アプリ「Sakemony」の開発、日本酒をよい状態で保管するための日本酒セラー「SAKECELLAR®」の開発など、ひとつひとつ時間をかけながらも解決してきた。現在は、ブロックチェーンを活用した物流及び販売データ管理システム「Sake Blockchain」の構築に挑んでいる。
2.富山に誕生! 世界的レジェンドたちが手掛ける唯一無二の酒蔵とは
立山連峰の麓(ふもと)、森と田んぼに囲まれた長閑(のどか)な土地に、IWAの酒蔵はひっそりと佇む。設計は日本を代表する建築家の隈研吾氏。「ひとつ屋根の下」をコンセプトとするその蔵は、醸造設備、レセプションルーム、そして関係者の宿坊まで備えた複合施設となっている。
リシャール・ジョフロワ氏と隈氏が特にこだわったのは、レセプションルームの「土間」だ。日々の生活を営み、仕事をこなし、人々の集いの場でもある土間。
南砺(なんと)市の古民家をふたりで訪れた際、ジョフロワ氏が「これこそ求めていた蔵の理想像」と感動し、最も重要なポジションを占めることになった。ここでは試飲のほか料理をゲストに振る舞うことも可能となっている。
3.秋キャンプを盛り上げる! スノーピークコラボ日本酒&厳選アイテム7選
今、キャンプ場には多様なキャンパーが溢れている。大人の男性には、各々がソロで集まり、楽しんでいる人も多い。テントやギアを揃え、場だけを共有し、時には仲間との語らいを楽しみ、個々で好きな食事や酒を楽しむ。そんなキャンプと酒を愛する男たちには、スノーピークと朝日酒造のコラボは大いに気になる存在だろう。
2017年に誕生した「久保田 雪峰」。ベースは銘酒・久保田で、雪峰の名は文字どおりスノーピークのことだ。両者はともに新潟県発。厳しくも雄大な自然、豊富な雪解け水と、新潟の大地に恩恵を受ける者同士とあれば、キャンプ好きにとっては興味深い。
しかもこのお酒は、「久保田 萬寿」の山廃仕込み版。味に複雑さが生まれるのが特徴だが、さらにキャンプ料理との相性を考慮し、重厚さやコクを強めている。日本酒と聞くと刺身などを想像しがちだが、「久保田 雪峰」はダッチオーブンによる肉料理と相性がよい。