連載「ヴィンテージウォッチ再考」の第46回は、パテック フィリップの「カラトラバ Ref.2551」を取り上げる。
時計好きなら誰もが憧れる名機
パテック フィリップの代表作「カラトラバ」。その原点となる1932年に発表された「Ref.96」は「あらゆる腕時計の模範」、あるいは「究極のドレスウォッチ」として世界中の時計愛好家から高い評価を受けている。
実に90年以上の歴史を持つ「カラトラバ」のスタイルは常に変化し、進化を続けてきた。それゆえ、「カラトラバ」は時代ごとに異なる表情を持っているのが大きな特徴ともいえる。
1958年製の「カラトラバ Ref.2551」を例に取ってみよう。
このモデルの最大のポイントは、パテック フィリップ初の自動巻きムーブメントである「Cal.12-600AT」が搭載されていること。このキャリバーは1953年から1960年の間のみ製造されており、非常に希少なムーブメントなのだ。
36mmというエレガントなケースサイズ、PPの文字を模ったリューズ、象嵌(ぞうがん)プリントのエナメルダイヤルなどディテールの見どころも多く、オリジナルの尾錠が揃っていることも珍しい。
美しいデザインはもちろん、歴史的な価値も高い「Ref.2551」は、紛れのないコレクションピースだと言えるだろう。
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