連載「ヴィンテージウォッチ再考」の第45回は、カルティエ「サントス ガルべ LM」と「サントス オクタゴン LM」を取り上げる。
ミニマムを極めたダイヤルデザイン
1970年代にスイス時計業界を襲ったクオーツショックは、多くのメーカーを苦境に立たし壊滅寸前まで追い込んだ。
1980年代の半ば、時計業界は「機械式時計の復興」を掲げ試行錯誤の日々を送っていた。その困難を乗り越えるために暗中模索するなかで生みだされたデザインには、非常にユニークなモノも多い。
今回紹介するカルティエの「サントス ガルべ LM」と「サントス オクタゴン LM」は、その好例である。
両者に共通するのは、カルティエのブランド名が綴られたグレーのダイヤルであり、これは愛好家の間で“ゴーストダイヤル”と呼ばれる。1980年代にごく少数のみ製造された。
このダイヤルには不思議な仕かけがあり、文字盤を見る角度次第でブランドネームが見え隠れするのだ。どういった経緯でこのようなダイヤルが作られたかは定かではない。
「機械式時計の復興」という時代背景が生んだ知られざる名品を、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。
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