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2024.08.27

カルティエ、グランドセイコー…なぜ、敢えて手巻き式時計をつくるのか

手巻き式時計は、その魅力として“引き算の美学”を語られることが多い。自動巻き式より必要なパーツが少ないため薄く設計できる手巻き式は、これまでシンプルなドレスウォッチに用いられることが主だった。しかし近年は、その特徴を生かしたさまざまなタイプの手巻き式時計がつくられるようになっている。

手巻き式腕時計4選

モダンに進化を遂げる、進化系手巻き式腕時計4選

例えば、スケルトンウォッチはそぎ落とされた構造美を表現するために、回転ローターの必要ない手巻き式が採用されることが多い。それによってムーブメントの細部まで観賞することができ、仕上げや磨き、装飾加工などを目で見て楽しめる。

また、とことん“薄さ”を極められるのも手巻き式の魅力。技術者側にとっても、シンプルな時計をつくるためではなく、表現の自由度を高めるために手巻き式を選ぶという“足し算の思考”に、徐々に意識は変わってきつつあるのだ。

現在の機械式時計は、自動巻き式ムーブメントが主流。そんななか、敢えて手巻き式時計をつくるのは、ブランドとして攻めの姿勢を貫いているということ。そういった“攻めた手巻き式時計”こそ、ここぞという勝負の時に身につけたい。

1.ウブロ|スピリット オブ ビッグ・バン トゥールビヨン オレンジカーボン

軽妙なケース素材と大胆なムーブメントで独特の世界をつくる

約5日間のロングパワーリザーブを誇る超複雑ウォッチで、建築的なスケルトン構造を採用した。世界限定50本。手巻き、オレンジマイクログラスファイバー入りカーボンファイバーケース、径42mm。¥14,322,000(ウブロ/LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ TEL:03-5635-7055)

2.カルティエ|サントス デュモン リワインド

時分針を逆回転させて新しい時の流れを表現する、メンズウォッチの原点

1904年に誕生した伝説的な時計のデザインを継承しつつ、ケース厚は7.3mmと薄型に仕上げた。逆回転する時分針が不思議な時の流れをつくる。世界限定200本。手巻き、PTケース、縦43.5×横31.5mm。¥6,058,800(カルティエ/カルティエ カスタマー サービスセンター TEL:0120-1847-00)

3.グランドセイコー|エボリューション9 コレクション SLGW002

約50年ぶりに開発された、ハイビート×手巻き式の新型ムーブメントを搭載

巻き上げの際の感触と音にこだわった限定モデル。動力ぜんまいの逆回転を防ぐ部品「こはぜ」の形は、小鳥・セキレイをイメージした。世界限定80本。手巻き、18KPGケース、径38.6mm。¥6,050,000[2024年8月発売予定](グランドセイコー/セイコーウオッチお客様相談室 TEL:0120-302-617)

4.ブルガリ|オクト フィニッシモ トゥールビヨン マニュアル

極限の技術に挑む、美メカニズムの手巻き式トゥールビヨン

薄型ウォッチを得意とするブルガリの、1.95mmという世界最薄の手巻き式トゥールビヨンムーブメントCal.BVL268SKを搭載。時計の厚みは4.85mmしかないが、ケースデザインは立体的で美しい。手巻き、Tiケース、径40mm。価格は要問い合わせ(ブルガリ/ブルガリ ジャパン TEL:0120-030-142)

TEXT=篠田哲生

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