スイスのジュネーブにて、4月に開催された世界最大級の高級時計見本市「ウォッチズ アンド ワンダーズ」。そこで発表された最新モデルから、2024年の時計界のトレンドを読み解け!
63もの複雑機能を搭載した圧巻の懐中時計
現在、一時のスイス時計業界のバブルは落ち着きを見せている。アメリカや日本の市場は変わらず好調だが、中国や香港の時計市場はやや冷えこみ傾向。そういった理由もあってか、2024年の新作時計は手堅い印象。既存モデルのアップデートや素材バリエーションの拡充が目立った。
しかしだからといって、退屈というわけではない。素材の進化は表現力を格段に高め、新型ムーブメントやディテールのアップデートは、時計の使い勝手を向上させている。
もちろん時計の祭典にふさわしい話題もあった。特にヴァシュロン・コンスタンタンは、2015年に「Ref. 57260」で樹立した“世界で最も複雑な時計”という称号を自ら塗り替え、なんと63の複雑な機能を搭載したグランドコンプリケーションを発表し、大きな話題となった。
手堅いモデルもありつつも、富裕層の好奇心を満たすハイコンプリケーションモデルも充実。さまざまな方向から楽しめるのが、2024年の新作のトレンドである。