ついに“時計の春”が到来。2024年4月9日から、世界最大の時計イベント「Watches and Wonders 2024」がスイスのジュネーブで開催された。その詳細については次号で紹介するが、前年と同様、このイベントに出展しなかったスウォッチ グループや独立系ブランドなども、魅力的な時計を多く発表している。
「Watches & Wonders 2024」だけじゃない! ルイ・ヴィトン、オーデマ ピゲなど注目新作を先出し
ここ数年の時計業界では、デザインやマーケティングに欠かせない「CMF」、すなわちCOLOR(色)、MATERIAL(素材)、FINISH(加工)で差別化を進める事例が顕著に増えている。カラーダイヤルの増加はまさにその典型で、ブルーやグリーンのモデルは今年も注目だ。
また素材の進化も継続中で、オーデマ ピゲは新しいゴールド素材として「サンドゴールド」を発表。これは75%のゴールドに、銅19%、パラジウム6%を加えたもので、ピンクゴールドよりも白が強く不思議な雰囲気を持つ素材となっている。またルイ・ヴィトンは、「プリカジュールエナメル」という伝統技法を用いたダイヤルが話題となっている。
先端技術だけでなく、継承された技術もうまく取り入れた新作は、時計愛好家の琴線に触れるものばかり。今年の時計界も熱くなりそうだ。
1.ルイ・ヴィトン|ヴォヤジャー フライング トゥールビヨン ポワンソン・ド・ジュネーヴ プリカジュール
繊細な技術で浮遊感を演出する
圧倒的な透明感を生みだす「プリカジュールエナメル」技法を取り入れた最新モデル。ダイヤルの装飾は“LV”がモチーフで、ジュネーブ伝統の時計技法を継承することを証明するジュネーブ・シールも取得している。
2.カール F. ブヘラ|ヘリテージ バイコンパックス アニュアル ジャパン
ジャパンブルーの限定クロノグラフ
スイスと日本との国交樹立160周年を記念した限定モデル。ベースとなるのは、2カウンター式でレトロデザインにまとめた、アニュアルカレンダーつきのクロノグラフだ。両国をつなぐ空や海の色をイメージして、印象的に青を使った。
3.オメガ|スピードマスター ムーンウォッチ ホワイトダイアル
宇宙へのロマンと機能性から生まれた配色
時計界の永世定番である“ムーンウォッチ”の新作は、宇宙服に用いる白×黒の配色からインスピレーションを得た。鮮烈な輝きを放つホワイトダイヤルはラッカー仕上げ。インデックスはブラックでまとめており、コントラストで視認性を高める。
4.カシオ|MRG-BF1000B-1A
ラグジュアリー化する傑作フロッグマン
G-SHOCK唯一のダイバーズウォッチ「フロッグマン」は2023年、最高峰モデルであるMR-Gが登場。その最新版は、ブレスレットまでチタン素材となり、黒の世界のなかに真紅の差し色を利かせた大人のタフウォッチだ。
5.モーリス・ラクロア|アイコン PVD
深いブルーを纏った人気モデルの限定版
人気のラグジュアリースポーツモデルに、ミッドナイトブルーの限定ウォッチが登場。トレンド感はありつつも、落ちついた深みのある色合いで、ビジネススタイルとのなじみもいい。世界限定888本。
6.ブランパン|ヴィルレ パーペチュアルカレンダー
歴史と伝統を表現した深緑のダイヤル
現存する最古の時計ブランドらしい端正な永久カレンダーモデルに、グリーンダイヤルが登場。この色合いは、社屋があるル・ブラッシュの深い森を表現したもの。カレンダーの修正は、ラグ裏のコレクターで行うので利便性が高い。
7.オーデマ ピゲ|ロイヤル オーク フライング トゥールビヨン オープンワーク
素材でも進化するアイコンウォッチ
柔らかなニュアンスを持った新素材「サンドゴールド」を初採用。オープンワークとなったムーブメントのパーツにも同色のガルバニック処理を行っており、統一感のある美しさを放っている。
8.ザ・シチズン|アイコニック ネイチャー コレクション AQ4106-00W
美意識と技術力をハイレベルで融合させた
年差± 5秒という超高精度モデルながら、光発電で駆動。しかも土佐和紙を用いた繊細なダイヤル表現も美しく、品格ある佇まいの時計だ。ケースには、サクラピンクの表面硬化技術デュラテクトを施した。世界限定300本。