連載「ヴィンテージウォッチ再考」の第18回は、中目黒に出店したヴィンテージウォッチを取り扱うアイウェアショップ「アフタ」を紹介する。
極上アイウェア&ウォッチが集う「アフタ」とは
一般的に眼鏡と時計を一緒に取り扱う店舗の業態は珍しいことではない。そこで問われるのが、プロダクトの良し悪しを見極めるオーナーの審美眼やセレクトだろう。
2023年7月、中目黒にオープンした「アフタ」の店主・牧野弘生氏は、アイウェアの世界で長年キャリアを積み上げてきた人物。2011年にアイヴァンリテーリングに入社後は、数々のアイヴァンの直営店で店長を務め、別注モデルの開発を手掛けてきた。
独立前から牧野氏が思い描いていた店舗の構想は、EYEVAN 7285、10 eyevanを基軸にしたアイウェアのセレクションに加え、ヴィンテージのアイウェア&ウォッチを並べるというありそうでなかったスタイルだ。
趣味の延長線上で選んだという「アフタ」のショーケースに並ぶヴィンテージのプロダクトは、現行のコレクションと一味違う魅力を放つ。
取り扱うヴィンテージのアイウェアは、基本的にデッドストックのみ。主軸は1940~50年頃のフレンチヴィンテージだ。このほかにも彫金の技術が素晴らしい1920年代頃のアメリカンヴィンテージが揃っている。
選び抜かれたヴィンテージウォッチ
注目に値するのが、小径モデルを中心としたヴィンテージウォッチのラインナップだ。牧野氏自身がコレクターというだけあって、オリジナリティとコンディションは光るものがある。
このところ、ロレックスやカルティエのヴィンテージモデルは、クオリティが高い時計が減る一方だが、そこでの妥協は一切せずに及第点をクリアした個体のみを取り扱っている。いかにも古びたヴィンテージウォッチに抵抗がある方にはうってつけのセレクトだと言える。
本当に自分が好きなものだけを扱いたい。そんな牧野氏の理想が実現したショップは、各界の識者の間で早くも話題になっている。各種メンテナンスが充実しているため、末永くプロダクトと付き合えるのも嬉しい限りだ。
次回の連載では「アフタ」が取り揃えるロレックスやカルティエのヴィンテージモデルを詳しく紹介していく。
■連載「ヴィンテージウォッチ再考」...
インターネットやSNSの普及からあらゆる時代の時計が簡単に入手できるようになった。そうはいったところで、パーツの整合性や真贋の問題が問われるヴィンテージウォッチの品定めは一筋縄ではいかない。本連載では、ヴィンテージの魅力を再考しながら、さまざまな角度から評価すべきポイントを解説していく。