美しい腕時計との出合いは、必ずや人生を豊かにしてくれる。ビジネスの最前線を走り続ける仕事人たちが選ぶ腕時計と、その裏にある味わい深いストーリーとは。今回は、RFA digital brains 代表取締役社長の領家航氏に話を聞いた。【特集 美しい時計】
ITとは対極にある、機械式時計のロマン
新卒で入社したGMOインターネット時代、周りの上司や同僚が身につけるものに気を使っていたこともあり、高級時計に触れる機会も多かったと話す領家航氏。その経験から領家氏は、趣味というよりは日常使いのアイテムとして腕時計を重宝しているそうだ。
「僕は根っからのF1ファンなのですが、華麗なF1マシンはサーキットを1秒でも速く走ろうという意図からフォルムが設計されています。そんな機能美を伴っているプロダクトが好きで、時計にしても同じ。それに、デジタル・マーケティングというITの仕事をしている分、アナログの極致ともいえる機械式時計の世界には余計にロマンを感じるのかもしれません」
そんな領家氏の琴線に触れた1本が、ブレゲの「トラディション 7057」だ。
「革命的な機構の開発、マリー・アントワネットとの逸話など、ブランドが持つ歴史やエピソードが興味深かったので、いつかはブレゲの時計を欲しいと思っていたんです。なかでもこれは、内部の機構を見せるデザインが特に美しくて購入しました」
ブランドの歴史と時計が放つ美しさ。その両方で「トラディション 7057」は、領家氏の所有欲を満たしてくれる。
「妥協せず、細部にまで徹底してブレゲの技術と伝統が詰めこまれているからこそ、美しさや個性がより際立っているのだと思います。弊社でも、『RFAの仕事は、細部まで徹底的にこだわり絶対に妥協してはならない』ということをよく話します。その積み重ねによって、ブレゲのような素晴らしいブランドが出来るのだと。簡単なことではありませんが、少しでも近づけられるように、腕につけるたびに自戒しています」