美しい腕時計との出合いは、必ずや人生を豊かにしてくれる。ビジネスの最前線を走り続ける仕事人たちが選ぶ腕時計と、その裏にある味わい深いストーリーとは。今回は、GRAPES 代表取締役の竹内真氏に話を聞いた。【特集 美しい時計】
広大な天体の動きとおおまかな時刻表示。その神秘と詩情が美しい
HR Tech領域の雄ビズリーチをその創業期から支え、昨今はアートと食の魅力を融合させたレストランビジネスでも辣腕(らつわん)を振るう竹内真氏。
「いわゆる“時計好き”ではないんですよ」と言いながらも、長く続けているアート収集で培ったその美意識を感じさせる時計は、目の肥えた愛好家も唸る代物揃い。
なかでも「腕元に太陽系が並ぶなんてロマンしかない」と絶賛するのは、宝石で表現した太陽系の惑星がアベンチュリンダイヤル上で正確な周期で公転する、ヴァン クリーフ&アーペルの「ミッドナイト プラネタリウム」だ。
「オートメーションによる大量生産が主流の現在において、手仕事そのものの価値が非常に高まっていると思います。職人がディテールのひとつひとつに徹底的にこだわり、丹精込めて作り上げる。そうして生まれたプロダクトはとても美しいですよね。この時計も、見ていて惚れ惚れします」
膨大な情熱と時間をかけて作られたこの美しい時計は、竹内氏の心をがっちりと摑んでいる。
「腕時計を投資的価値で購入する人もいますが、僕にはそういった考えはまったくない。その時計がたとえ無価値になったとしても、変わらず好きでい続けられる。自分が心の底から好きだと言える物に出合うこと。これほど贅沢なことはないと思います」