今頃はジュネーブで行われた「ウォッチズ&ワンダーズ」の情報が、時計好きの関心を引いていることだろう。ラグジュアリー・スポーツの定着、アーカイブの復刻、ケースの小径化など、さまざまなトピックが賑わせているが、H.モーザーはあくまで独自の世界観をみせる。
物欲ではなく所有欲を満たす、まるでアートのように
この時計では、代々受け継がれてきたエナメル加工技術「グラン・フー」を用いて計12回もの炉焼きを重ねてダイヤルをつくり、実に深みのある碧色を表現する。
それを引き立てるのがタンタルケース。微妙にグレーがかった色合いが、ダイヤルのグラデーションをより印象づける。
実はこの時計は、パーペチュアルカレンダー搭載機。複雑な同機構は高級時計の証であり、またひげゼンマイにいたるまで自社で製造する「H.モーザー」の技術力の賜物でもある。が、それらを誇示するどころか、むしろダイヤルの美しさによって潜ませるかのよう。
見せつけるのではなく、魅了する腕時計なのだ。
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